【ダイエット】シニアの代謝とカロリー管理【脂質】
今回の寄稿者さま

ペンネーム:あきこ
プロフィール:ライター兼訪問看護師。看護師歴30年以上。訪問看護は13年の経験があり、がんやその他の疾患での在宅看取り支援の経験も多数。

今回は友恵さん(54歳)のお話です。

友恵さんは168㎝の身長とはっきりした目鼻立ちをした女性です。

最近太ったので洋服がきつく、鏡を見ても似合っていないので、新しい服を買う気持ちも萎えていました。

お子さんが5年前に県外の大学に進学し、そのまま就職したので、大量の食事やお弁当作りから卒業し家事は楽になっていました。

太った理由としても「多めに作った料理の残りを食べたからかな」と思っていました。

作る量を抑えたり、運動したりした方がよさそうだと思うものの、なんとなく過ごしていました。

体型が変わらない同級生

ある日、お友達の圭子さんが遊びに来ておしゃべりをしました。

圭子さんは高校の同級生で、短大の栄養科に進んで栄養士になり、管理栄養士の資格も取得。

5年ぶりに会うと、圭子さんはあまり様子が変わっていません。

友恵さんだけ太っていて、なんだか不公平に思いました。

 

いろんな話をしましたが、一番友恵さんが衝撃だった話は体重増加についての話でした。

 

太るロジック

圭子さんは話してくれました。

「脂肪1gは9Kcalなのね。ごはんのような炭水化物や、肉などのたんぱく質は4Kcalだから、脂肪ってカロリーが高いの。

私たちの身体についている脂肪は約20%の水分を含むので、1㎏の脂肪は約7千200Kcalの計算になるわ。」

 

友恵さんはスマホの計算機を操作します。

「そうね」とうなずきながら、話の続きを聞きます。

 

「あのね、仮に毎日クッキーを1枚とか、ご飯を二口だけ、いつもより多く食べるとするでしょう。

クッキー1枚10gやごはん二口13.5gは50Kcalくらいなので、そんなことよくあることよね?

50Kcalを1年365日食べて5年経つと、どお?計算してみて。

そう、9万1千250Kcalになるわね。」

 

「9万1千250割る、さっきの脂肪のカロリーの7千200をすると?

12.7よ。12.7って何の数字だと思う?」

 

友恵さんは電卓の数字を追うのに気を取られていて、首をかしげます。

 

圭子さんは言います。

 

「5年間で増える体重なのよ。12.7㎏増えるの」

 

友恵さんは絶句しました。

思い当たる節がたくさんあり、この計算は私の体重のことだと思いました。

 

「運動をしなかった場合もあるわよ」

圭子さんは続けます。

「20分位歩くのをやめた場合、50Kcalを消費しないから同じことが起きるの。」

友恵さんがすっかり落ち込んでしょげていると、圭子さんは「大丈夫よ、応援するから一緒にがんばりましょう」とにっこり。

カロリー管理開始

友恵さんは、食事の残りなどは次の日の朝に食べるようにし、20分だけ通勤で歩くようにしました。

帰り道は早く家につきたいので、朝の通勤時に歩くことに。

朝は清々しくて、気持ちのいいものでした。

 

極端な食事制限や運動をすると身体に負荷がかかるので、スタートで飛ばすことは慎むべし。

1か月1kg以内の減量を目標に、ゆっくりでも確実に進めるように、くぎを刺されました。

運動で筋肉がつくと、体重減少が無くても代謝は良くなるからあとで差が出るの、重さよりも身の締まりに注目よ。

 

SNSで連絡を取り合い、自分のしたことを伝えるだけでも、モチベーションの維持はできました。

雨が降って歩けなかったことを伝えると、今日のお掃除は床拭きにするとお掃除とダイエットと筋トレで一石三鳥よ、とはっぱをかけられたこともありましたが、たいていは静かな見守りのコメント。

 

1か月もすると歩くことにも慣れ、早足歩きや30分以上歩くことも難なく可能に。

圭子さんは「転ぶと厄介なのよ」と足首の柔軟性を保つために足首をくるくる回す体操や、つま先をスネの力で持ち上げる体操を、友恵さんに紹介。

 

友恵さんの体重はそれほど減っていませんが、身体は締まってきたことを実感しています。

背筋が伸びて、歩く速さも以前よりスピードアップ。

張り合いが出てきて、伸びた背筋に合いそうな服も欲しくなってきました。

ウインドーショッピングをしながら、ワクワクする友恵さんでした。

 

 

< 了 >

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※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

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