【40代・50代】更年期障害の心と身体を整える!鍼灸師がおすすめするツボ5選

40代・50代のお客さまから寄せられるご相談のひとつに「更年期症状」があります。

「なかなか疲れがとれない…」

「ちょっとしたことでイライラする…」

「急に顔がカーッと熱くなる…」など

40歳を過ぎた頃から、なんとなく感じる心や身体の不調。

更年期だから…」とガマンしている方も多いのではないでしょうか?

年齢を重ねることによって、女性の身体は大きく変化します。多くの方は50歳前後で「閉経」を迎えます。

閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた「約10年間」を、一般に「更年期」と呼んでいます。

今回の記事はそんな「更年期」に役立つアドバイスを現役鍼灸師の視点から提供させていただきます。  

この記事もオススメです

40代・50代の更年期に悩む方へ。鍼灸師がアドバイス。

更年期には、それまで身体を維持してきた「女性ホルモン」の分泌が減少することで、心や身体にさまざまな不調があらわれます。

よくみられる症状として、次のようなものがあります。

  • 心の症状 … 「イライラ・気分の落ち込み・意欲の低下・情緒不安定・不眠」など
  • 身体の症状 … 「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)・めまい・動悸・頭痛・肩こり・疲労感」など

「更年期症状」は多岐にわたり、また、心身の症状が同時にあらわれることもあります。

そのため、心と身体を別のものとして捉える「西洋医学」では、対処するのが難しいとされています。

「中医学」では「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方を大切にしています。

心と身体は繋がっていて切り離すことができず、それぞれが互いに強く影響しあっている」というもので、中医学の特徴をあらわす言葉のひとつです。

心と身体の両面からアプローチする中医学は、更年期のさまざまな不調の改善にピッタリ!といえます。

それでは「更年期症状」にお悩みの40代・50代女性のために「心と身体を整えるツボ」と養生のコツをご紹介します。

中医学で考える「更年期症状」

中医学では「更年期症状」をどのように捉えているのでしょうか?

本題に入る前に、中医学の基本概念「気・血・水(きけつすい)」と「五臓(ごぞう)」について、少し触れておきたいと思います。

「気・血・水」とは?

中医学では「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素が身体を構成していると考えます。

  • 「気」… 生きるために必要なエネルギーのことで、生命活動を維持します。
  • 「血」… 身体の中を流れる血液のことで、全身に栄養を運びます。
  • 「水」… 血液以外の水分のことで、身体に潤いを与えます。

これらが、身体のすみずみまで行き届き、バランスが保たれていることで、わたしたちの健康は維持されます。

「五臓」とは?

身体にとって大切な「気・血・水」をつくり出し、たくわえているのが「五臓」とされています。

「五臓」は「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」の5つの総称で、内臓そのものではなく、中医学の理論に基づいた「はたらき」を意味しています。

  • 「肝」… 全身の「気」をスムーズに巡らせ、精神状態を安定させます。また「血」を貯蔵し、必要に応じて身体の各部分に送り出すはたらきもあります。
  • 「心」… 全身に「血」を循環させるポンプのような役目があり、身体のすみずみに栄養を運びます。また、意識や思考を調節するはたらきもあります。
  • 「脾」… 飲食物を消化吸収して「気・血・水」をつくり、身体の各部分に供給します。また「血」が脈外にあふれ出ないように保持するはたらきもあります。
  • 「肺」… 呼吸を行うことで「気」をつくり、身体の各部分に運びます。また、全身に「気」と「水」を巡らせたり、分散させたりするはたらきもあります。
  • 「腎」… 「生命の源」である「腎精(じんせい)」を貯蔵し、身体の成長や発育、生殖活動を維持します。また、全身の「水」の巡りをコントロールするはたらきもあります。

「五臓」はそれぞれ単独に存在するのではなく、互いに助け合いながら機能していると考えられています。年齢を重ねることによって「五臓」のはたらきが低下すると、身体のなかの「気・血・水」のバランスが崩れ、さまざまな不調があらわれるようになります。「更年期症状」もそのひとつとされています。

「更年期症状」からわかる5つの体質とは?

症状のあらわれ方によって、現在どのような体質に偏っているかがわかります。

ここでは「更年期症状」と特に関わりが深い「腎・肝・脾」と「気・血」の観点から、体質を5つにわけてみていきます。

①~⑤について「あてはまる」と思う症状にチェックをつけましょう。

一番多くチェックがついたタイプが現在の体質になります。

複数のタイプに同じ数のチェックがついた場合は、いくつかの体質をあわせ持っていると考えましょう。

  • 身体のあちこちに老化のサイン【腎気虚(じんききょ)タイプ】

「腎」のはたらきが低下することで「腎精」が不足し、身体に老化の症状があらわれます。

よくみられる症状
□耳が聞こえにくい
□トイレが近い
□尿がスッキリ出ない
□足腰がだるい
□帯下(おりもの)の量が多い 
□経血の色が薄い □経血の量が少ない

  • ストレスでイライラ怒りっぽい【肝気鬱結(かんきうっけつ)タイプ】

「肝」のはたらきが低下することで「気」の巡りが悪くなり、「イライラ」や「気分の落ち込み」など、精神的な症状があらわれます。

よくみられる症状
□イライラして怒りっぽい
□気分が落ち込みやすい
□ため息をよくつく
□喉がつかえる
□お腹や脇が張りやすい
□生理前に胸が張る
□生理周期が乱れる

  • 潤い不足でほてりやすい【肝腎陰虚(かんじんいんきょ)タイプ】

「肝」と「腎」のはたらきが低下することで「血」と「水」が不足します。身体を冷やすことができなくなるため「のぼせ」や「ほてり」など、熱の症状があらわれます。

よくみられる症状
□よく眠れない
□物忘れしやすい
□のぼせやすい
□手足がほてる
□めまいがする
□耳鳴りがする
□喉や口が渇きやすい

  • 疲れやすくて元気がない【脾気虚(ひききょ)タイプ】

「脾」のはたらきが低下することで、「気・血・水」をつくり出すことができなくなり、身体に栄養不足の症状があらわれます。また「血」を保持する力も低下するため「不正出血」の症状もあらわれます。

よくみられる症状
□疲れやすい
□手足が重だるい
□食欲がない
□胃がもたれやすい
□痩せてきた
□下痢や軟便になりやすい
□不正出血がある

  • 冷えがあって痛みがつらい【気滞血瘀(きたいけつお)タイプ】

「気」の巡りが悪くなることで「血」の巡りも悪くなり、身体に冷えや痛みの症状があらわれます。(「肝気鬱結」の長期化も原因のひとつです。)

よくみられる症状
□動悸がする
□頭痛などの痛みがひどい
□針で刺すような痛みがある
□肩こりがある
□手足の冷えがある
□生理痛が強い
□経血にレバー状のかたまりがある

「更年期症状」の体質別改善法

体質がわかると、自分に合った方法で心と身体のケアをすることができます。

ここでは、「更年期症状」にお悩みの40代・50代女性のために、5つの体質それぞれについて「心と身体を整えるツボ」とおすすめの養生法をご紹介します。

「ツボ押し」は毎日続けることが大切です。いつでもどこでも気軽にできるので、1日1回を目安に行ってみましょう。

「息を吐きながら」5秒かけてゆっくりと押し、「息を吸いながら」5秒かけて少しずつ離すようにして、10回ほど繰り返します。

「気持ちいい」と感じる強さで押すのがポイントです。

ツボを刺激することによって「気血」の巡りがよくなり、身体本来が持つ治癒力が高まります。普段の生活にプラスするだけで、心も身体も楽になっていくはずです。

早速、はじめてみましょう!

①「腎気虚タイプ」におすすめのツボと養生法

腎気虚タイプにとって大切なのは「規則正しい生活をして腎精をまもること」です。

太渓
おすすめのツボ
おすすめのツボ 太渓(たいけい)
見つけ方 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります。
押し方 親指と人差し指で、アキレス腱をつまむようにして押します。
効果 「腎精」を補う作用があるため、老化によるさまざまな不調に効果的です。

 おすすめの養生法

「腎精」を消耗しないように、なるべく規則正しい生活をすることが大切です。

睡眠時間を十分に確保して、リラックスできる時間をつくりましょう。

食べすぎや飲みすぎにも注意して、バランスのとれた食事を心がけましょう。

また、足腰が弱ってしまうと「腎」のはたらきも衰えてしまいます。

ひと駅歩いたり、階段をつかったり、散歩をしたりして、普段から足腰の強化につとめましょう。

②「肝気鬱結タイプ」におすすめのツボと養生法

肝気鬱結タイプにとって大切なのは「ストレスを解消してリラックスすること」です。

労宮
おすすめのツボ
おすすめのツボ 労宮(ろうきゅう)
見つけ方 手のひらの中央にあります。手をにぎるようにして指を曲げたときに、中指と薬指の先端が当たる場所です。
押し方 親指の腹をツボにあて、手首のほうから指先に向かって押します。
効果 自律神経のバランスを整える作用があるため、イライラ、憂うつ、不眠など、心の疲れからくるさまざまな症状に効果的です。

 おすすめの養生法

ストレスを解消し、リラックスすることが一番です。

なかなかリラックスできないときは、深呼吸をしてみましょう。

お腹をつかって呼吸することで「気」の巡りがよくなります。

また、心地よい香りでストレスや疲れを癒してくれるアロマテラピーやハーブティーなどで、気分転換するのもよいでしょう。

③「肝腎陰虚タイプ」におすすめのツボと養生法

肝腎陰虚タイプにとって大切なのは「身体の潤いをチャージすること」です。

復溜
おすすめのツボ
おすすめのツボ 復溜(ふくりゅう)
見つけ方 内くるぶし中心から指幅3本ぶん上がったところで、アキレス腱のキワにあります。 押し方 親指と人差し指で、アキレス腱をつまむようにして押します。
効果 身体の潤いを補う作用があるため、のぼせ、ほてりなど、熱の症状を落ち着かせる効果があります。

 おすすめの養生法

身体の潤いを保持する力が弱っているため、水分そのものを摂ってもうまく吸収できません。野菜や果物など水分の多い食材を、蒸したり、スープにしたりすることで、穏やかに潤いを補給しましょう。また、辛い物やお酒などは、発汗を促して身体を乾燥させるので、摂りすぎには注意しましょう。

④「脾気虚タイプ」におすすめのツボと養生法

脾気虚タイプにとって大切なのは「胃腸に負担をかけないこと」です。

足三里
おすすめのツボ
おすすめのツボ 足三里(あしさんり)
見つけ方 ひざのお皿のすぐ下にある外側のくぼみから、指幅4本ぶん下がったところにあります。
押し方 両手の親指を重ねてツボにあて、残りの指はふくらはぎに添えます。ひざのほうに引き寄せるように少し力を込めて押します。
効果 胃腸のはたらきを整え、消化を促進する作用があるため、胃もたれ、食欲不振、下痢などの症状を和らげます。

 おすすめの養生法

胃腸に負担をかけないように、消化のよいものを食べるようにしましょう。よく噛んで食べるだけでなく、少しずつわけて食べることも大切です。また、就寝の3時間前までに食事を終えて、胃腸をしっかり休ませるようにしましょう。

⑤「気滞血瘀タイプ」におすすめのツボと養生法

気滞血瘀タイプにとって大切なのは「身体を温めて血行をよくすること」です。

三陰交
おすすめのツボ
おすすめのツボ 三陰交(さんいんこう)
見つけ方 内くるぶし中心から指幅4本ぶん上がったところ、すねの骨の後ろ側のキワにあります。
押し方 足をつかむように骨のキワに親指をあて、骨の内側に指を入れ込むようにして押します。
効果 血行を促進する作用があるので、冷えや痛みの症状に効果的です。また、女性のための万能ツボともいわれ、更年期のさまざまな不調を改善します。

 おすすめの養生法

身体を冷やさないようにすることが大切です。シャワーよりも、できるだけ湯船につかって身体を温めるようにしましょう。

のぼせやすいので、半身浴などでゆっくりと温めるのがおすすめです。

また、血行をよくするために、普段の生活のなかでなるべく身体を動かすようにしましょう。

※「肝気鬱結タイプ」の「ツボ」や「養生法」も参考にしてください。

40代・50代女性の「更年期症状」に効果的な「ツボ」まとめ

今回は、40代・50代女性の「更年期症状」に効果的な「ツボ」と「養生法」についてご紹介しました。

更年期は、女性なら誰にでも訪れる心と身体の転換期。この時期を上手に乗り越えることが、その後の人生をいきいきと過ごすためのカギとなります。

そのためには、日々の養生が欠かせません。

養生とは「生命を養う」こと。「病気になることなく、健康に長生きして人生を楽しむための知恵」です。心と身体をいたわりながら、更年期以降の新たなステージに向かって、自分らしく素敵に歳を重ねていきましょう!

今回の寄稿者は「kao」さま
kaoさまのプロフィール:鍼灸師・国際薬膳師。
女性のための鍼灸院で、お客さまの美容や健康のお悩みに向き合っています。

東洋療法美容salon 漢方美人 50歳を過ぎ、更年期真っ只中。中医学のチカラを借りて養生するなかで、穏やかに体調が整っていくのを感じています。
「中医学の素晴らしさをたくさんの方に伝えたい!」そんな思いから、ライターをはじめました。愛猫(るる)の「かまって攻撃」をかわしながら、楽しく執筆しています。

<了>

この記事もオススメです

※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

よかったらTwitterフォローお願いします