【尿もれ対策】骨盤底筋群を鍛えるトレーニング
今回の寄稿者さま

ペンネーム:あきこ

プロフィール:ライター兼訪問看護師。看護師歴30年以上。訪問看護は13年の経験があり、がんやその他の疾患での在宅看取り支援の経験も多数。

今回は京子さん(59歳)のお話。

お子さん3人は成人し、家から出ていました。

来年には退職して、すでに退職している夫と、スポーツクラブや旅行、登山、英会話など楽しみをもって過ごしたいと思っています。

 

気になるのが、尿漏れです。くしゃみをしたときやトイレを我慢している時にほんの少し漏れてしまうのが気がかり。外出時はパンティーライナーを当てています。

特別なことではないと聞きますが、実際自分の身に起きると老化を感じ愕然とします。

女性の6割が尿もれ経験者

先日、スポーツクラブの無料体験に行ってみました。「バランスリセット」という身体を整える体操プログラムにトライ。

スタジオの入り口で、ヨガマットと直径15㎝位の柔らかいボールを受け取り、空いているところに座ります。

インストラクターは同年代位。引き締まった体をしていて大きな声であいさつ。

今日のテーマは「こつばんていきんぐんです」と言います。

 

インストラクターは、説明を続けます。

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)は、骨盤の底部分にあるハンモック状の4つの筋肉たちです。

この筋肉たちは、下から膀胱や子宮などの内臓を保持。この筋肉の中ほどを尿道・膣や肛門につながる腸が通ります。筋肉たちを縮めたりのばしたりして、尿や便の通りを調整しているのです。

この筋肉を鍛えると、尿もれ対策になります。

 

「え?私のこと、どうしてわかったのかしら。尿漏れしていそうな感じが、顔から漏れ出ていたのかしら。いやねえ」京子さんは周りをキョロキョロ。

インストラクターは、京子さんのことは意に介さず説明を継続。

 

尿漏れは女性なら6割以上があるようです。妊娠出産で骨盤底筋群が緩んだり、年を重ねて筋力が低下したりすることで経験します。

他にも、尿を出すとき、膀胱は縮むけど尿の出口はあけるなど神経も複雑。尿をためているときに膀胱が縮もうとすると、何回もトイレに行きたくなったり、漏れることもあったりというわけ。

 

病気の場合はお医者さんに相談してほしいけれど、今日は普段の生活でできる尿漏れの改善・予防エクササイズをしていきましょう。

 

「へー。私だけじゃなくて結構尿漏れする人多いのね」

京子さんは興味がわいてきました。

骨盤底筋群のエクササイズ

インストラクターは、ヨガマットに座り深呼吸をみんなと一緒にした後、いくつかの柔軟体操をしながら、身体の声を聴いてみるよう促します。

 

骨盤底筋群のエクササイズは2つでした。

  • 1つ目は仰向けでのおしりの持ち上げ
  • 2つ目はボールを膝の間に置き、膝同士でボールを圧迫

 

1つ目のエクササイズは、仰向けで膝を曲げ、かかとをおしりに近づけます。

インストラクターは元気な声で指示しカウント。

おしりを持ち上げます、おしり、腰、背中の順に上げます。キープ、10カウント。1、2、・・・。呼吸を忘れずに、肛門を締める意識で。

10カウントしたら、ゆっくり背中、腰、おしりと降ろします。

ここで、3つのアドバイス。

ゆっくり、背骨を1つずつ順番に感じながら、おしりをあげたり降ろしたりすること。

キープするときは尿やおならを我慢するような、肛門を引き締める意識で。

膝を閉じると強度が上がるので、できる方はチャレンジ。

京子さんも3つのアドバイスを意識しながら、みんなと10セット行いました。

 

2つ目のエクササイズは、同じく仰向けで膝を曲げる姿勢で、左右の膝の間にボールを挟みます。

ボールをつぶすように10カウント。つぶすときに息を吐き、ゆるめた時に息を吸います。

この時も尿道、膣、肛門を締める意識で行います。

ボールをつぶすことに専念すると、肛門を締める意識が薄くなるので肛門に意識を向けます。

 

エクササイズの合間には、普段意識するとよいこと3選を教えてくれました。

1、立っている時、ぼーっと立たない。おしりの割れ目に1万円札を挟んでいるような気持ちで落とさないように意識。この時、肛門から頭の先までピーンと引っ張られているようなイメージで肛門を締めると効果的。無駄な時間を筋トレの時間にチェンジ。

2、家にいる時、隙間時間でのおしり歩き。足を前に出して座り、左右のおしりを使って前に進んだり後ろに戻ってきたり。膝はできるだけ閉じて。

3、トイレで尿をするとき、半分以上出たら、尿を一度止めてみる。ただし、膀胱にたくさん尿があるうちは負担がかかるので試さないで。

 

終わりに柔軟体操と深呼吸を数回しました。プログラムが始まってすぐの柔軟体操に比べて背筋が伸びて身体が軽いと感じます。

 

インストラクターは言いました。「皆さんと楽しくエクササイズができて素敵な1日でした。家でも軽いストレッチのあと継続してみてください。呼吸をゆっくりしながら、顔をゆるめて笑顔でエクササイズをコツコツ続けましょう。顔は笑顔、おしりは締める、が合言葉よ」

 

京子さんは来年からの活動のため、習ったエクササイズを続けようと笑顔で誓いました。

 

< 了 >

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※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

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