老人ホーム・介護施設の利用を検討すべきタイミングとポイント
今回の寄稿者さま

ペンネーム:ホーリー

プロフィール:介護職員歴約20年。有料老人ホームの介護職員を経て、現在は管理職に従事。

老人ホーム・介護施設を検討するタイミングは、ご本人が漠然とでも「将来の介護が不安」になったその時です。

理由は「介護施設を必要になった時、御本人では選べない状況下に置かれている」可能性が、とても高いからです。

なぜ動けるタイミングで検討するのか

まず、介護施設に入居されるほぼ全ての人は、何らかの障害を負い「家での介護が出来ない」為、早急な受け入れ先の確保の一つとして有料老人ホームを検討・入居されます。

入居にかかる日数も、施設見学から3日〜10前後とスピーディーに行われるのが一般的です。

因みに約8割のご入居者が「家族に迷惑をかけたくないから」という理由で入居されています

 

私は、このような状況は必ずしも良いとは考えていません。

まず、最大の問題は「入居先を当日まで自分で確認できない」ことが挙げられます。

これは健常の方が、賃貸物件を借りる時の感覚に置き換えるとよくわかると思います。

一度も見たことがない物件を見学後、そのまま当日中に契約。

そのまま賃貸料を払って入居された方は、ほとんどいないのではないでしょうか?

しかし、介護施設ではその流れが「当たり前」となっています。

 

そもそも介護施設であっても、ご家族ではなく、そこに入居されるご本人と契約を結びます。

にも関わらず、そのご本人は契約日に、今から住む部屋と共用部を案内され、気に入らなかったとしても、「介護してもらわなければ生きていけない」状況であると、ご家族や周囲に案内され、渋々入居し様子をみるのが一般的です。

 

ご家族としては、ご本人が施設見学できない状況だからこそ、休日を潰し早急に施設選びをしているご家族も多くいます。決して悪気があるわけではありませんが、結果としてはご本人は、一度も見たことのない物件に入居し、新生活がスタートします。

 

このような流れで入居される殆どの入居者にとって、その施設が良いものになるかどうかは、ある意味「ギャンブル」であり、介護職員がどんなに頑張っても「合わなかった」と退去される方もいるのが現状です。

 

そのため、介護施設を考えるタイミングは、ご本人が漠然とでも「将来の介護が不安」になった時が、その時と考えています。

 

  • 今はまだ元気
  • 要介護者になっていない
  • 障害を負っていない

 

元気な人ほど、大抵「まだ先だから」と後に伸ばす傾向がありますが、上記のような人ほど、「将来、自分の住むかもしれない場所を、自分の目で確認できる」人であるとも言えます。

 

自分が過ごす施設だから自分の目で確かめる

一部の例外を除き、ほぼ全ての介護施設は無料で見学ができるため、元気なうちに、立地や価格、サービスを確認しておくことをおすすめします。

そうすることで、少なくとも、一度も行ったことのない介護施設に入居するより、後悔が少なくて済むと考えられます。

 

尚、介護施設は、満室になることや、その時の御本人の状態によっては入居が受けられない場合もありますので、候補を複数検討しておくと、より安心です。


< 了 >

 

※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

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