シニアのおしごと日和:第1回「シルバー人材センターで働いてみた」

シニア層でお仕事している人もしていない人も「他の人はどんな仕事しているのかしら~?」「私にも出来ることないかなぁ」なんて・・・ちょっと気になっていませんか?

そこで、お仕事している人やお仕事を探している人に「お仕事の話を聞いてみよう」という企画です。

記念すべき第1回は 「シルバー人材センターで働いてみた」になります。

 

それではどうぞ。

 

今回の寄稿者さま

ペンネーム:ひよりん

プロフィール:62歳で会社を退職。今はフリーランス。コラムを書いたり、HPやカタログの製作をしています。ウォーキングとヨガは朝のルーティンに。黒猫シャロンとシニアライフを楽しんでいます。

退職後の穏やかなシニア生活

会社という組織から離れて3年。夢にまで見ていた現役引退生活。

気が付けば、あっという間に3年が過ぎました。

 

私は小さな会社を経営していたのですが、62歳で事業を整理して事実上引退して今に至るわけです。

小さいとはいえ、それなりの責任があったわけで、毎日気が休まることがなかった数十年でした。

仕事と子育て、本当に大変な時期もありましたが、やっと今では子供達、みんなが成長して独立しています。

 

今はネコと二人暮らし。

 

最初の半年は、朝起きるたび、いつもとは違う日常に新鮮さを感じていて、近所のラジオ体操に参加したり、気の向くままお散歩したり・・・。

近所の図書館にも通い、何冊も借りてきて午後からは読書三昧の日々を満喫していました。

ラジオ体操がきっかけで、近所の人とも話す機会が増え、ちょこちょこ立ち話をすることも。

時には親しくなった人と、六義園まで足を延ばして、ランチを愉しむなんてこともあります。

 

仕事をしていた時は時間に追われていたので、そんなこともなかったものですから、こういうことも引退後の愉しみになっています。

それでも、新鮮だった毎日が日常になって行くと、だんだんつまらなくなっていくものです。

全く勝手なものですが・・・

 

そして気が付くと、ぼんやり空を眺めているのです。

ところが、次第になにか、言いようのない不安というか・・・

このまま後30年近く生きるのか・・・こんな生活のままでよいのだろうか・・・

そんなことを思い始めてしまいました。

 

「何かしたいなぁ  何かできることないかなぁ。でもできることなんてないし、今さらあんまり責任のある仕事はしたくないし」と。

 

そんな時でした。

友達からシルバー人材センターの話を聞いたのです。

「シルバー人材センター?聞いたことあるけど、なんだか自分とは縁遠い気がする」

そんなことを思ったりしたけれど、ちょっと調べてみようかな・・・

 

よくわからないけど、地元のシルバー人材センターに問い合わせしてみると、説明会があると言う事なので、早速申し込んでみました。

シルバー人材センターに行ってみた!

 

市町村によっても違うでしょうが、私の区では月に2回位の説明会を開催してました。

当日、ドキドキしながら参加してみると、みんな高齢者ばかりです。

当たり前ですけどね。シルバーなのですから笑

改めて自分も高齢者なのだと再認識しました笑

説明会には、シルバー人材センターの職員の方が数名いらして、開催の挨拶の後は、仕事がどのように紹介されるのか?

紹介の仕組みを教えていただきました。

 

シルバー人材センターの仕組み

  • 受託事業・独自事業・派遣事業などがあること。仕事をする人は全員個人事業主の扱いで、健康保険や一定期間就業の保証はない。
  • 会費は1年間2000円。仕事をしてもしなくても支払わねばなりません。
  • 仕事探しはシルバー人材センターのHP(ホームページ)や毎月出されるお仕事情報から自分で見つけるとのこと。

 

その後、簡単なプロフィールを書いて提出します。

希望の仕事があれば申し込みもできます。

 

接遇研修を受ける

面白かったのが、マナー研修があったことです。

 

  • 「皆さんの仕事はプロのサービス業です!」
  • 「良い印象・信頼・親切を伝えましょう」
  • 「気持ちの良い挨拶や言い方をしましょう」

 

と、実際あった事例を挙げていただきながら、

 

「こういう時はこういう風に対応するといいですね」

 

と具体的に教えていただきました。

何十年ぶりの接遇研修でしょう。

これも結構新鮮でしたよ。

 

※この説明会や研修内容は各地域でも違うと思いますので、あくまでも参考までに。

 

シルバー人材センターとは!

シルバー人材センターの概要としてはこんな感じです。

60歳以上の高齢者が、「さまざまな社会参加を通じて、健康で生きがいのある生活や地域社会の福祉の向上と活性化に貢献する活動」

 

仕事紹介の仕組みは、まずシルバー人材センターが企業や団体から仕事を請け負います。
その業務をシルバー会員が請負、業務の対価として配分金をもらうというカタチになります。

 

仕事の内容は以下の通りです。

 

仕事(業務)の特徴

月に10日位が目安、就業期間は1年間。

ワークシェアリング体制。

→これは平等に働けることと、体調不良等の突然のお休みに対応するための交代就業のことです。

会員はセンターから基本的に請負又は委任の形式により仕事を引き受けます。

そして仕事が終わった後にはその仕事の対価を受け取れます。

それは契約代金から仕事の内容と就業実績に応じた「配分金」(報酬)と言うものになります。

時給としたら、一般企業のパートよりも少し安い感じがします。

それに、従業員ではないので、就業中の保証はありません。

一定の働く期間の保証がないのですが、その分自由に働けます。

考えようによれば、自分のライフスタイルを優先して働けるという事です。

 

会員条件

その市区町村に住む60歳以上の方

 

仕事の内容

難しい技術がいらなく誰でもできるような仕事です。
重い機械の操作、高所作業、有害物質を扱うような作業はありません。
ボランティア活動もあり、さまざまな社会参加を通して、 高齢者が健康で生きがいのある生活を送れるよう、また地域社会の福祉の向上・活性化に貢献できるような仕事の内容とされています。

 

だから以外と気軽に働けそうですね。

私が受けた説明会の仕事は以下のようなものでしたが、その他、時期によって色々なお仕事があるようです。

 

公共からの仕事

自転車駐車場管理/集会室・施設の管理/公園・施設管理/自動通学案内 等

 

個人宅からの仕事

家事援助サービス/生活支援サービス/屋内清掃/植樹の剪定/草むしり/大工仕事/あて名書き 等

 

会社からの仕事

事務所やマンションの清掃/一般事務/袋詰め/庭掃除 等

 

実際に働いてみた!

 

説明会の時に「街つくり推進事業」と言うものに目が留まりました。

詳しくは書いてなかったので、説明会後に早速担当の人に声をかけてみました。

「あのぅ この仕事ってどんなことするのですか?」と。

担当の方は丁寧に教えてくれました。
主な業務の目的は街の繁華街を歩いて「ポイ捨てやめましょう」の啓発活動だというのです。

街をきれいにするための声がけと実際にごみを拾うことがお仕事になります。

 

私は「やりたいです! 入れてください」とその場でお願いしました。

 

そのお仕事の内容は「ポイ捨て防止啓発及清掃業務委託」というもの。

週に4日実施される業務です。

自分の好きな曜日を選んで1日3時間、赤いキャップに赤いトレーナー・ベージュのズボンを着て、ごみを拾いながらパトロールをするというものです。

その制服が可愛いのです!

人生で初めての制服作業なので、最初は照れ臭いような・・・気恥ずかしいような・・・そんな気持ちでしたけど、全くやったことがない仕事にめぐりあってみると、いつも見ている街の景色がまた違って見えるから不思議ですね。

こんな感じ

私の場合は月に4回から6回。1日3時間で、3,273円。

4回やれば月にいただくお金は3,273円×4回分、6回ならば3,273×6回分という事になります。

一般的なバイトからすると、少ない時給だとは思いますけどね。

私はこんな風に思いました。
考えようによれば、1日3時間で1万歩以上歩く健康的な仕事です。

その上、周りの人からは「ご苦労様」「いつもありがとうございます。ボランティアさんですか?」と感謝されます。
「私たちはシルバー人材センターから来ています」と、そのたびに説明します。

総勢人数は50名くらいいるようです。

火曜 木曜 土曜 日曜 祝日の12時から15時。

各班3名づつに分かれてごみ箱のカートを押しながら街中を歩きます。

皆さん、本当に優しい方ばかりでした。

丁寧に仕事の手順を教えてくださいました。

あまり無駄口もたたかず黙々とごみを拾いながら歩くのがまたいいです。

なんでもそうですが、慣れるまでは緊張しますよね。

ただこんなに我儘が効く仕事はそんなにないかも。

月に1回しか働かない人もいるし、いくつもの仕事をかけもちで、一日中働いている人もいます。

私は1月から3月まで、寒い街の中を歩くのは絶対無理だと思い、3か月のお休みを取りましたが、誰からも文句も言われず、春になって普通に復帰できました。

これがシルバー人材センターのよいところかもしれませんね。

自分の働き方は自分のライフスタイルで決められると言うのが、最大の特徴なのですね。

 

仕事探しのポイント!

私が始めた仕事は、当初いただいた一覧には詳細が載っていませんでした。

でも「町つくり推進事業」という言葉に惹かれて、もっとちゃんと聞いてみようと、直接担当者を訪ねました。

どうも、人気の仕事はあえて詳細を書き出さないみたいです。

詳細を私のように聞きに来た人に案内するということがあるそうです。

だから、少し気になった仕事については、直接話を聞いてみて、担当者と仲良くなるのがポイントかもしれませんね。

シルバー人材センターのまとめ

 

HP(ホームページ)から必要と思われる内容を抜粋してみました。

 

どんな仕事があるかは市町村によって違うので、それぞれ確認してみてください。

パソコンで探せなかった人は直接市町村役場に聞くと良いでしょう。

 

正式名称

「全国シルバー人材センター事業協会」                       

公式サイトはこちら

シルバー人材センターの理念「自主・自立・共働・共助」や「生きがいを得るための就業を目的にしています。

 

一般的な仕事の内容は

短期・臨時的なもので、要するに働く期間があるもの。なを、難しい技術がいらなく誰でもできるような仕事です。

ボランティア活動もあり、さまざまな社会参加を通じて、 高年齢者が健康で生きがいのある生活や地域社会の福祉の向上と・活性化に貢献するものとあります。

このあたりは、私が参加した説明会と同じです。

仕事の種類については以下を参照にしてください。

 

技術分野

家庭教師 学習教室の講師 パソコン指導 翻訳・通訳(英語) 翻訳・通訳(英語以外) 自動車の運転

 

技能分野

庭木などの剪定 障子・ふすま・網戸の張替え 大工仕事 ペンキ塗り 衣類のリフォーム 刃物とぎ 門松・しめ縄づくり

 

事務分野

一般事務 経理事務 調査・集計事務 筆耕・宛名書き パソコン入力

 

管理分野

建物管理(ビル、アパート・マンション管理など) 施設管理(スポーツ、遊戯施設管理など) 駐車(輪)場の管理

 

折衝外交分野 

販売員・店番 配達・集配 集金 営業 電気、ガスなどの検針

 

一般作業分野

除草・草刈り 屋外清掃 屋内清掃 包装・梱包(封入、袋詰めなど) 調理作業(皿洗い、配膳など) 農作業(種まき、水やり、収穫など) エアコン・換気扇の清掃 チラシ・ビラ配り 荷造・運搬

 

サービス分野

 家事サービス(掃除、洗濯、留守番など) 福祉サービス(身の回りの世話、話相手、介助など) 育児サービス(子守、送迎など)

 

働き方は?

 

先ほど私の体験報告と大体同じような気がしますが、これも市町村によって違うようです。

会員はセンターから基本的に請負又は委任の形式により仕事を引き受けます。

センターは、会員に対して仕事が終わった後に支払われ、契約代金から仕事の内容と就業実績に応じた「配分金」(報酬)として受け取ることができます。

就業中の保証はありません。一定の働く期間を保証すると言う事もありません。

考えようによれば、自分のライフスタイルを優先して働けます。

 

シルバー人材センターの歴史

 

昭和和50年 急速な高齢化が進み、定年後も働きたいという高齢者が増えてきたことが背景にあり、健康に有意義に生活するために就業したいという希望する人のために、東京都においてシルバー人材センターのさきがけとなる「高齢者事業団」が創設されました。

 「自主・自立、共働・共助」の理念の下に、高齢者の知識、経験、能力を生かしながら、社会参加していこうという発想が多くの人の共感を得て、全国に広がりました。

昭和55(1980)年度から国の補助事業として「シルバー人材センター」の名のもと全国的に事業展開され、各市区町村での設置が相次ぎ、昭和55(1980)年12月情報交換・経験交流等を図ることを目的としたシルバー人材センターの全国組織として「全国高齢者事業団・シルバー人材センター等連絡協議会」(全高シ連)が発足。

昭和57(1982)年7月全高シ連を発展的に改組し、「社団法人全国シルバー人材センター協議会」(全シ協)が発足しました。

昭和61(1986)年には「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の成立によりシルバー人材センター事業が法制化され、名称を「社団法人全国シルバー人材センター協会」に変更、同法に基づく法人として労働(厚生労働)大臣の指定を受けました。

平成8(1996)年同法の改正によって「社団法人全国シルバー人材センター事業協会」と改めました。

さらに、公益法人制度改革により、平成24(2012)年、「公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会」と改め、現在に至っております。

 

現在は60歳以上の高齢者が働くことを通じて、生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織。全国町村単位ごとに置かれています。

 

参考になりましたか?

興味があれば、皆さんがお住まいの市町村にお問い合わせされてはいかがでしょうか?

毎日、「何かしたいけど、何をしてよいかわからない」と言う方は、

シルバー人材センターの扉を叩いてみてはいかがでしょうか?

 

ではごきげんよう!

ひよりんレポートでした

 

< 了 >

※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

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