柿が秋に出回り始めると、パッと明るいオレンジ色に思わず目をひかれます。
シャリっとした歯ごたえと優しい甘みがあり、秋になったら必ず柿を食べている方も多いのではないでしょうか。
ただ「何となく柿を購入して保存しているけど、長持ちする保存方法は知らない」「柿は剥いて食べる以外はしたことない」という方もきっといらっしゃるはず。
そこで本記事では、柿の正しい常温・冷蔵・冷凍の方法と日持ち期間、おいしいレシピなども交えてご紹介します。
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柿の旬の時期や有名な産地、種類
柿の旬は、7〜12月までと言われています。その中でも最もおいしいシーズンは、秋の深まる9〜11月頃です。
主な産地は和歌山・奈良・福岡の3県です。1位の和歌山県では全国の収穫量の約20%のシェアがあります。
柿の品種、どのぐらい知ってますか?
柿には「甘柿」と「渋柿」があり、代表的な品種の「次郎」は甘柿に分類されます。スーパーでもよく並んでいる人気の品種ですね。
ですが、柿にはまだまだ色々な品種があります。「甘柿」と「渋柿」に分けてご紹介しますが、この中でいくつ食べたことがあるでしょうか。
甘柿
- 富有(ふゆう)
- 太秋(たいしゅう)
- 夕紅(ゆうべに)
- 太郎丸(たろうまる)
- 吉美人 など…
最後にご紹介した「吉美人」は高級ブランド柿で、その価値は7L(1つ約480g)サイズで5400円の値が付くほどです。
渋柿
- 平核無柿(ひらたねなしがき)
- 刀根早生柿(とねわせ)
- 甲州百目(こうしゅうひゃくめ)
- 西条柿(さいじょうがき)
- 市田柿(いちだがき) など…
渋柿は、渋抜きされて販売されるほかに「あんぽ柿」や「干し柿」に加工されています。
柿の栄養価や効果・効能について
柿には、カロテンも豊富でピーマンと同等の量が含まれています。
特に「βクリプトキサンチン」という柿に含まれる色素成分は、高い抗酸化作用により脂質代謝の改善や骨粗鬆症の予防、がん予防などの効果に期待ができます。
また、渋みの素の「タンニン」はアルコール分解要素があるため、飲み過ぎた日の翌朝に食べると効果的です。
ただ、鉄分の吸収をおさえる働きもあるので貧血気味の人は注意しましょう。
購入時のおいしい柿の見分け方
ここでは、スーパーでおいしい柿を選ぶ目利きのポイントをご紹介します。
チェックポイント
- ヘタの形が綺麗で葉が4枚ある
- ヘタが果実にぴったり張り付いている
- 表面にツヤがある、又はブルームがある
- 表面の色がオレンジっぽく均一になっている
- 持った時に大きくて重みがある
柿の常温保存のコツと保存期間の目安
柿を常温保存したときの日持ち期間の目安は、2〜3日です。
柿は、収穫してからもどんどん追熟が進んでいきます。とくにヘタの部分が乾燥するほどエチレンガスが発生するので、乾燥には注意しましょう。
常温保存のコツは、柿のヘタを下にしてポリ袋に入れておくことです。
もし買った柿がかたすぎる時は、この方法を逆手に取ります。常温にそのまま置いておくと柿の追熟が進むので、様子を見ながら好みのかたさになるまで待ちましょう。
柿の冷蔵保存のコツと保存期間の目安
柿を冷蔵保存したときの日持ち期間の目安は、1〜2週間です。
常温保存と同様に、冷蔵庫内は乾燥するので柿をそのまま入れると追熟が進んでしまいます。
柿を長持ちさせる冷蔵保存のコツは以下の通りです。
チェックポイント
①ヘタが乾燥しないように濡らしたキッチンペーパーでヘタの部分を覆う
②柿全体をラップでしっかり包む
③保存袋に柿を入れて、冷蔵庫で保存する
いくつかまとめて柿を保存したときは、状態が柔らかいものから順に食べていくようにしましょう。
柿の冷凍保存のコツと保存期間の目安
柿を冷凍保存したときの日持ち期間の目安は、約3週間〜1ヵ月です。
柿を冷凍保存するときには、必ず「完熟」させてから冷凍しましょう。かたい状態の柿だと甘みを感じにくく中途半端な食感になってしまい、食べたときにおいしくありません。
冷凍するときは、完熟した柿をラップでしっかり包んで保存袋に入れて冷凍庫に入れます。この時の柿は「丸ごと」でも「カットしたもの」でも大丈夫です。
食べる時は、半解凍状態で食べるのがおすすめです。シャリっとした柿は、とても甘くシャーベットのように食べられます。
この方法は柿を育てる農家さんも、おすすめしている食べ方です。
あんぽ柿と干し柿について
あんぽ柿と干し柿は、渋柿からできますが、製法は全く別物です。
あんぽ柿 | 硫黄を使って渋柿を薫蒸(くんじょう)したもの | ・果肉はゼリー状で柔らかい ・水分量は約50% ・硫黄の効果により果肉はオレンジ色のまま ・発祥は福島県伊達市の五十沢(いさざわ)地区 |
干し柿 | 渋柿を屋外につるして乾燥させたもの | ・表面がかたく、凝縮された自然な甘み ・水分量は約20~30% ・皮をむいて乾燥させるため、表面は黒くなる ・糖分が白い結晶になって表面につく |
干し柿の食感が苦手だ、という方でもあんぽ柿なら食べられた!という声もあります。干し柿が苦手に思っている方は、あんぽ柿にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
柿のおすすめレシピ2選
柿を料理に使ったことはありますか。
意外にも柿の味はデザートとしての役割だけでなく、秋の味覚を感じる料理として活躍してくれます。
ここでは、柿を使うレシピを2つをご紹介します。
①柿の天ぷら
柿を天衣にくぐらせて、からりと揚げた柿の天ぷら。秋の変わり種の天だねとして、とても映える一品になります。
ポイントは「かための柿を使うこと」です。完熟の柿を使うと、揚げているうちに柿に火が入りすぎてしまい、ドロドロになってしまうので注意してください。
塩につけて食べると柿の甘さがより引き立ち、おいしく召し上がれますよ。
②あんぽ柿の白和え
いつもの白和えにあんぽ柿を細かく刻んで入れると、秋を感じるおかずに大変身します。
あんぽ柿を入れすぎると甘くなりすぎてしまうので、量は調整しながら入れてください。
あんぽ柿の甘さと白和えの味の意外なマッチングに、きっと驚くはずです。
こちらのレシピは、あんぽ柿だけでなく柿や干し柿に変えても、おいしくいただけます。
柿の保存方法のまとめ
今回は柿の常温・冷蔵・冷凍の保存方法と柿のおすすめレシピを中心に解説しました。
甘柿・渋柿の品種や、あんぽ柿と干し柿の違いなど、知っているようで案外知らない知識も多くあったのではないでしょうか。
栄養成分も優秀な食材で、特にがん予防に効果があるのは驚きでしたね。
ぜひ、柿をおいしく保存して秋の味覚として存分に楽しんでください。
<了>
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※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
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