
シニア採用について、気になる読者の方々も多いのではないでしょうか。どういった企業でどのような職種がどのようなニーズでシニアの採用を行っているのでしょうか?
株式会社マイナビが全国の企業、個人を対象に実施した、「非正規雇用のシニア採用に関する企業調査(2023年)」の結果を発表しましたのでニューストピックとして取り上げていきたいと思います。※レポート内に記載している「シニア」は「65歳以上」を想定しています。
非正規雇用でシニアを採用している業種は[警備]が89.4%と最も高い
非正規雇用でシニアを採用している企業は66.4%で前年より1.0pt減少した。
業種別では[警備]が89.4%と最も高く、次いで[介護]で79.6%、[ドライバー]で78.6%となった。前年と比べると、
[建築・土木]で+9.8ptと最も増加し、次いで[飲食・フード]で+8.8pt、[ドライバー]で+6.9ptとなった。
「今後シニアを採用したい(積極的に+どちらかといえば)」と答えた企業は65.8%
「今後シニアを採用したい(積極的に+どちらかといえば)」と答えた企業は65.8%で前年より2.6pt増加。業種別では、[警備]が78.9%と最も高く、次いで[清掃]が77.3%、[ドライバー]が72.4%となった。
[ドライバー]はシニア採用実施率・採用意向のいずれも前年より増加して上位となっており、経済活動の活性化を背景にタクシーや観光バスなどのドライバー需要の増加により、人手不足が懸念されること等から採用強化する企業が増加しているとみられる。
今後シニア層を採用したい理由は、「専門性が高い・経験が豊富」が37.1%
今後シニア層を採用したい理由は、「人手不足の解消・改善につながるから」で51.2%と最も高く、次いで「専門性が高い・経験が豊富」で37.1%となった。
シニアを採用したくない理由:「シニア採用意向なし」と回答した人
一方で、今後シニア層を採用したくない理由は、「体力面・健康面が不安なため」で53.7%と最も高くなった。
体力面や健康面への不安がシニア採用の懸念点として挙げられたものの、労働人口の減少が進む中で企業はシニア層の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む必要もあると考えられる
非正規雇用のシニア層の「健康経営」に取り組む必要性を感じている企業は82.9%
正規雇用のシニア層の「健康経営」(※従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実施すること)に取り組む必要性を感じている企業は82.9%で、業種別では[事務・オフィスワーク]で90.7%と最も高く、次いで[建築・土木]で88.6%となった。
一方で、取り組んでいる割合は43.9%と半数以下だった。
業種別に見ると、必要性を感じている割合が高い[事務・オフィスワーク]では48.0%、[建築・土木]では51.4%と約5割にとどまった。
また、取り組んでいる割合が最も高かったのは[ホテル・旅館]で56.6%、次いで[その他小売・サービス]で56.4%と上位業種でも約6割となった。
非正規雇用健康経営の必要性を感じている企業は多いものの、実際に取り組めている企業は少ないことがわかった。
まとめトピック
- 非正規雇用でシニアを採用している企業は66.4%。
- [ドライバー]で採用実施率・今後の採用意向ともに前年より増加し2024年問題への対応がうかがえる。
- 今後非正規雇用のシニアを採用したい理由は「人手不足の解消・改善につながるから」が最多。
- 一方、採用したくない理由で最も多かったのは「体力面・健康面が不安なため」
- 非正規雇用のシニア層の「健康経営」について、必要性を感じている割合は82.9%だが、取り組んでいる割合は43.9%と半数以下にとどまる
マイナビ「非正規雇用の外国人・シニア採用に関する企業調査(2023年)」
○調査期間/2023年5月19日(金)〜2023年5月29日(月)
○調査方法/WEBアンケート調査
(調査主体:株式会社マイナビ/アンケートモニター提供元:外部調査会社)
○調査対象/直近半年(2022年12月~2023年5月を想定)以内に非正規雇用の採用業務に携わった20~69歳の男女
○回答数/1,559サンプル
※レポート内に記載している「シニア」は「65歳以上」を想定しています。
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
<了>
【データ提供】