スーパーや八百屋で並び始めると、秋の訪れを感じる「梨」
シャリシャリとした食感と、みずみずしさが大人気のフルーツですね。
ただ、シーズンに入るとまとめて安く売っているため、大量に買いがちに…
梨を何となく保存していたら、ダメにしてしまった…という方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事は、常温、冷蔵、冷凍それぞれの保存方法と保存期間、切った後の変色防止のテクニックを、詳しくご紹介します。
「美味しさを損なわない、梨のきちんとした保存方法を知りたい」「切った後に変色しないテクニックを知りたい」と思う方は、必見です!
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梨の旬の時期や有名な産地、種類について
梨は、早生・中生・晩成と品種を変えながら、7月下旬から10月上旬まで、市場に出回ります。
その中でも、最もおいしい時期は、8〜9月までの期間です。
有名な産地は、主に千葉・茨城・栃木・福島・長野です。この5県で、日本での梨の生産量の約4割を占めています。
「赤梨」は表面が黄褐色で、ザラッとしているのが特徴
赤梨は皮が赤みがかった品種で「幸水」「豊水」「あきづき」「新高」などが挙げられます。
果肉は、柔らかく、しっかりとした甘さが特徴です。
一般的にスーパーや八百屋などでよく見かける梨は、こちらの品種の方が多いでしょう。
「青梨」は表面が黄緑色で、つるりとした表面が特徴
青梨は皮が青みがかった品種です。
青梨は育成過程で梨の実に袋を被せ果皮の汚れや病気や害虫被害を避けるように育てます。
品種は「二十世紀」「二十世紀ゴールド」「おさゴールド」などが挙げられ、果肉は赤梨よりサッパリとした甘みとほのかな酸味が特徴です。
関西、中国地方での栽培が盛んですが、赤梨に比べて栽培面積は、10分の1しかありません。
梨の栄養価や効果・効能についての説明
梨には、疲労回復効果のある、果糖やリンゴ酸やクエン酸が含まれています。
また、梨のシャリっとした食感の元となる、リグニンとペントザンは、難消化性の食物繊維の一種です。
腸のぜん腸運動を促し、便秘を解消する効果が、期待できます。
それにプラスして、梨に含まれるソルビトールという成分には、お腹の調子を整えてくれる効果もあるので、お腹が弱い人、便秘がちな人には、ぜひ召し上がってほしい果物です。
購入時のおいしい梨の見分け方
「スーパーで買った梨がフカフカしていた…」
「買ってみたけど全然甘くなかった…」
という失敗を防ぐために、ここではおいしい梨を見分けるポイントをご紹介します。
①上から見たときに正円
受粉がしっかり行われた梨は、種がたくさん入っています。
種がたくさん入ると、均一に丸く大きく成長していき、甘くなるものが多いです。
②大玉
梨は、小さいものより、大きいものの方がおいしいとされています。
大玉になるということは、受粉がしっかりされ、日当たりもよく、栽培管理がしっかりされていた証拠でもあります。
③果皮にハリがあり、重いもの
梨は鮮度が落ちると、梨自体にしわが寄ったり、果皮に張りがなくなってきます。
一方で、鮮度の良いものは、皮にハリがあるので、水分をしっかりと蓄えています。
また、持った時に、軽く感じるものは、熟しすぎたり、収穫してから時間が経ってしまっています。
同じ大きさでも、ずっしりと重い方が、梨がみずみずしいので、おいしく食べられるでしょう。
梨の常温保存のコツと保存期間の目安
梨の常温保存期間は、品種によって変わります。
私たちが普段、手に取りやすい「豊水」や「幸水」は、冷暗所で3〜4日間。
一方で「新興」「新高」「にっこり」などは、長期保存が可能で、常温の冷暗所で20日前後持ちます。
しかし、梨は追熟しないので、保存期間が長いほど、みずみずしさが失われてしまいます。
味がどんどん劣化してしまうので、どうしても常温保存する場合には、注意しましょう。
梨の冷蔵保存のコツと保存期間の目安
梨の冷蔵保存は、水分の蒸発を防ぐために、梨をビニール袋に入れて保存するのが、長持ちするコツになります。
普通のビニール袋でもよいですが、100円ショップなどで販売している「鮮度保持袋」に入れると、さらにしっかり長持ちしてくれるでしょう。
保存期間は、先ほど紹介した「豊水」「幸水」だと1週間前後。「新興」「新高」「にっこり」などは、1ヶ月ほど保存可能です。
一方でカット済みのものは、表面から水分がどんどん失われていきます。そのため、しっかりと密閉できる保存容器などに入れて、1日以内に食べきるようにしましょう。
また、梨の甘さは冷やし過ぎると風味を損ないます。
冷蔵庫で保管していたものは、切ってすぐ食べるのではなく、少し置いてから食べると、梨の甘味を存分に感じられますよ。
梨の冷凍保存のコツと保存期間の目安
「梨が冷蔵庫に入りきれない」という時には、冷凍保存がおすすめです。
期間は約1ヶ月ほど、になります。
皮をむいて、食べやすい大きさに切った梨を、空気に触れないように、ピッタリとラップに巻いて冷凍庫へ。
しっかり冷凍すれば、出したてはシャーベットのように楽しめますし、解凍すると、コンポートのような柔らかい食感が楽しめますよ。
また「梨が熟しすぎていた」「食べても甘くなかった」という時には、すり下ろして保存袋にいれて冷凍庫に保管しておきましょう。
梨には、肉を柔らかくする酵素があるので、肉の下味として、漬け汁に使えば、肉料理を作る時に、大活躍してくれます。
梨の変色防止のポイント
梨は、りんごや桃に比べて変色しづらい果物ですが、きれいな白い切り口は、出来るだけ保ちたいですよね。ここでは、梨の変色を防ぐコツをご紹介します。
ポイント1:芯をしっかり取り除く
梨の変色は、主に芯の部分から始まります。
「切り過ぎたらもったいない」と芯の部分をしっかり取り除かないと、切り口の中心部分から、どんどん茶色くなってしまいます。
お弁当にいれたい、明日また食べたい、という時に梨を切る際は、時間が経つと、見た目が悪くなってしまうので、芯を残さず切るようにしましょう。
ポイント2:変色防止はレモン汁より砂糖水か塩水
一般的に、桃やりんごなどの果物に、レモン汁をかけると、酵素の働きを防ぐため、変色防止になります。
しかし、梨の場合はレモン汁をかけると、切ったまま置いておくより、早く茶色く変色してしまいます。
そのため、変色を防止するには、切った後に、砂糖水か塩水に漬けておくのが、最もおすすめの方法です。
梨は肉を柔らかくする!
梨の中に含まれる「プロテアーゼ」という酵素には、肉を柔らかくする効果があります。そのため、韓国の焼肉屋さんでは、肉の下味に、梨をよく使っています。
スーパーで売っている、外国産の大きな肉も、梨をすり下ろして15分ほど漬け込むと、酵素の力で柔らかくなりますよ。
塩とハーブなどと一緒に揉みこめば、簡単に洋風の下味がつくのでおすすめです。
しかし、この「プロテアーゼ」という酵素は、80℃30分ほどで死滅してしまいます。
そのため、ビーフシチューなどの煮込み料理に梨を使う時は、先に、肉の下味として、よく漬け込みましょう。その後、つけ汁ごと煮込めば、すり下ろした梨も無駄なく使えます。
梨の保存方法のまとめ
今回は、梨の保存方法を中心に、保存期間の目安と、切った後の変色防止のテクニックもご紹介しました。
梨には、疲労回復や、便秘解消効果があるだけでなく、肉も柔らかくする効果を持っていました。
また、「今まで、変色防止にレモン汁をかけていた」という方も、いらっしゃったのではないでしょうか?砂糖水や塩水の方が効果的だとは、意外な発見でしたね。
秋に近づくと、一段と食べたくなる梨。地域によっては梨狩りなども盛んに行われていますね。
ぜひ、秋の味覚を最大限においしく楽しみましょう。
<了>
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※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
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