【介護施設】介護施設はすぐ慣れる?【老人ホーム】
今回の寄稿者さま

ペンネーム:ホーリー
プロフィール:介護職員歴約20年。有料老人ホームの介護職員を経て、現在は管理職に従事。

今回は介護施設選びのポイントやどれくらいで慣れるかについてのお話です。

 

 

介護施設や老人ホームに慣れるという事

慣れるまでは大抵は1ヶ月程度はかかる。

結論からお伝えすると、介護施設に入居するご利用者は、大体ですが慣れるまで約30〜40日間かかります。

 

前提として、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどは、「介護が必要」と認定されたご利用者が入居しています。

その「介護が必要」と認定されたご利用者の中には、「認知機能の低下した状態で入居される」ケースが最も多いのが実情です。

 

認知機能の低下とは、アルツハイマー型認知症等を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、認知症とは病名ではなく症状の為、一人暮らしにより栄養不足によるビタミン欠乏症や、脳に水が溜まる水頭症、時間や場所がわからなくなるせん妄も、「認知機能の低下」としてお伝えしています。

 

介護施設や老人ホームに入居するまでの流れ

次に、現在の利用者の多くが辿ってきた「一般的な入居までの流れ」についてもお伝えします。

 

①ご家族が施設見学をする。

いざ、本人が施設選びをしようと思っても、その時は既に障がいを持っており、直接施設選びをするのが困難な場合が殆どです。

極稀に、ご本人が「将来の為」とご見学を希望される方もいます。

しかし大半は、障がいを持った後に施設選びを検討される為、ご本人の代わりに、ご家族がその方の足となり、施設見学をされるのが一般的です。

 

②入居施設を決定する。

入居施設を検討するにあたり、ポイントは大きく分けて3つあります。

そのポイントとは、金額、立地、サービスです。

 

  • 金額は、パンフレットやインターネットで確認し、念の為、見学時や、契約時に再度確認する方がほとんどです。
  • 立地は、直接施設見学に伺った際に確認しますが「心配」という理由から、ご家族またはご本人の近隣施設を選ばれます。
  • サービスについて、建物の外観や内観、雰囲気もさることながら、実際に受けられるサービスを確認してから、入居施設を決定します。

 

特に、有料老人ホームは、多岐に渡る様々なサービスを展開しているため、利用者が求めているサービスを事前に把握することは勿論、それがその施設で実現可能かの視点を持って、施設選びをすることが重要になります。

例を挙げると「その施設内で看取りは可能か」「24時間365日介護職員はいるのか」等

 

ここまでの流れを有料老人ホームの場合、大抵の方は約3日間で決めてしまいます。

 

※特別養護老人ホームは、常に「待機待ち」が実情です。

 

「終の棲家になるかもしれない高額な施設を3日間で決めるなんて!」と思われる方も多いかもしれません。

 

しかし障がいを負った方の次の行き場がないから、ご家族が施設に足を運んでいる時点で時間は限られています。

例えば今は入院していても、退院日が決まっているケース。

家には介護できるものがいない等、どうしても、急を要する形で入居されるケースが殆どです。

 

③書類手続き、家具搬入、御本人の入居

最後に、ケアプランや、その施設の契約書を取り交わし、住むのに必要な家具を搬入します。

そして、御本人が入居すると同時に、介護職員や看護師の援助が開始となります。

 

ざっくりですが、このような流れを経て、入居します。

 

ご家族の負担も大きいですがご本人の負担はより大きく、入所当日は混乱される方も多くいます。

具体的には入所に承諾していたご利用者も、いざ入所し次の日に目を覚ますと、病院のベッドや家でない為、錯乱される方が多くいます。

 

しかし経験上、そのような方も、時間とともに落ち着きを取り戻し、40日以内には大半の方が、穏やかに過ごされるのが一般的です。

 

そのため、経験上は「入居してから40日位を様子見の期間」として捉え、時間が経過しても施設に馴染めない場合に、はじめて次の居場所を検討するくらいで丁度良いのかもしれません。



< 了 >

※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

よかったらTwitterフォローお願いします

おすすめの記事