みなさんこんにちわ。 日本人の未婚率が上昇し続けています。
内閣府 『令和4年版 少子化社会対策白書』 によると、2020年、50歳になった時点で一度も結婚をしたことがない人の割合は、男性28.3%、女性17.8%となってます。
ちなみに50歳に突入し始めている氷河期世代(1970年~1982年度に生まれ)の未婚率は34.4%となってます。
このままだと2040年に未婚率は男30%、女20%なると予想されています。
高齢のおひとり様が増える一方です。
そんな中、50歳以上の婚活が非常に盛り上がっているようです。試しに「50代 婚活」という感じで検索すると…
- 婚活イベント・パーティ…
- マッチングアプリ…
- 結婚相談所…
- 婚活ブログ…
無限に出てきます。すごい量です、本当に。何から手をつけていいか分からない。 そこで今回、「きらきらシニアタイムス」のアラフィフ編集者の竹井が50代の婚活や恋愛事情について調査します。
ちなみに竹井の簡単なプロフィール紹介します。
・独身、彼女なし
・高齢の母親と同居(長男かつ一人っ子)
・貯金無し、資産なし
・趣味は母親と韓流ドラマ鑑賞すること
・腰痛持ち
というわけで、竹井一人では右も左も分からないので、その道のプロフェッショナルに話を伺うことにしました。
少子化や老後問題が表面化する以前よりシニアマーケティングの研究を行い、50歳以上に特化したマッチングアプリ「R50Time」を運営している 株式会社ソーシャルサービスの代表取締役社長である白形 知津江さんに50歳以上の婚活や恋愛事情について聞いてみました。
株式会社ソーシャルサービス
代表取締役社長 白形 知津江
大手広告代理店を経て2005年起業。 WEB事業でJapan Venture Award2010を受賞。2012年よりシニア事業を開始。中高年シニア、周産期、小学校メディア事業の経験から、フィジカルとメンタル、コンテンツと医療の融合に挑戦する。日本応用老年学会理事。2022東京女性経営者アワード受賞
50代以上の婚活や恋愛活動の目的って理解してますか?
――漠然とした質問ですが、50歳以上の婚活や恋愛ってどういうものなんですか?
そもそも論として、50代以上の恋愛っていうのは結婚がゴールじゃないんですよね。
――え!そうなんですね。では、どういう目的でみなさん活動してるんですか?
例えばですが有名マッチングアプリを使っていらっしゃる50代以上の方はまだ少ないです。
そういうアプリのメイン利用者は20代〜30代で、50代以上になると全体の10%を切るぐらいになります。その10%うち6~7割ぐらいの人が、結婚を1回以上経験したことがある人たちなんです。
離別や死別された方ですね。20代〜30代のユーザーは未婚の人が圧倒的に多いです。
そういう方は結婚に対して夢や希望、憧れが強いんですね。でも、結婚を経験したことある50代以上の人は知ってるんですよ。結婚生活の現実を(笑)。
――多少なりとも良い想い出があるから、また婚活してるんじゃないですか?
離婚、離別というのは、ちょっと言葉を選ばず言うとですね、やっぱり「結婚に失敗したな」って思いを抱えているはずなんです。
少なくとも大成功だったと思ってる人は少なくて、傷ついたなっていう気持ちが強く、その結果、結婚に対して未婚者のような夢や希望を抱けない現実もありますよね。
過去の痛手が癒されないと次にいけない。その傷が癒えて、次を踏み出し始めてる。それが50代の婚活とかパートナー探しなんですね。
ただし一般的なマッチングアプリは結婚がゴールなんですよ。結婚相談所なんて名前からして、まさにそうですよね(笑)
結婚したことがない人はいいけど、離婚経験のある50代以上の人にとっては少し違ってきます。
――そうなると、そもそもゴールに至るポイントだったり、ゴールの先にある目標も若い方とは違う感じですか。
私たちはずっとシニアの事業をやってきて、そこから感じていることは、最終的に人ってだんだん寂しくなってくるんです。
歳を重ねると社会との接点がどんどん減る。求められる機会がないので、自己承認とか他者に認められる実感が少なくなっていくのがシニアなんですね。
孤独感とは、自分を必要とされていないと感じてしまうことなんです。
繫がりがない人は、そういった「人に求められる実感」を得られないままに亡くなっていくんです。
誰かに認めてもらいたい、誰かと分かち合いたい、喜びや悲しみ、発見や感動をシェア出来るパートナーがほしい。
それを解消するには別に結婚じゃなくてもいいし、心が通じ合う同居人がいるだけでもいい、別に同居すらしなくてもよくて。
「お互いにパートナーだと思える人がいる」
それが私達が運営している「R50time」が考えるゴールだと思ってます。
マッチングアプリで50歳以上はモテない?!
――どうやら若い人たちと抱えてる課題が全く違いますね。他にもそういう50代以上ならではの課題というのはありますか?
そうですね、あとは50代になるとモテなくなります笑。残念ながら。
20代〜30代がメインのプラットフォームで、50代の人が自分のマッチング候補として現れるだけで若い人は辞めちゃうんです。「ダメだ、このサービス」って感じで。
大手サイトなどはマッチング候補を表示するアルゴリズムを調整してます。
特に新規登録した若いユーザーには50代の人を表示させないようにしてたりするんです。
――一般的なマッチングサービスでは50代以上の人は結果を出すのは難しそうですね・・・
例えば、50歳以上の男性で、20代〜30代にモテるためには三つの要素が必要ですね。
- 顔がいい
- 経済力が非常に高い
- コミュニケーション能力が高い
この三つを持ってる人は、20~30代にモテる可能性があります。
そういう人たちは、今回が人生最後の結婚と考えてますし、子孫も欲しいんです。子供を産むのに適している30代女性を探す経営者や実業家は多いです。
けど、そんな方って、極々々々々々々一部じゃないですか。
一般的な50代以上の男性は、残念ながら「一般的なマッチングアプリ」ではモテないです。
――うわぁ・・・。いきなり詰んだ感じです。そうなると一般的な50代以上の独身はどうすれば良いんですか??
一般的な50代以上の方は、普通にお仕事もされていて、仲間もいたり、大きいお子さんがいたり、長い付き合いの友達もいる。社会経験も豊富です。
基本的に人格者なんですよ。実はすごく魅力がたくさんあるんですね。でもその魅力を出せない、魅力を伝えられない。とっても、もったいないと感じています。
また、昔はモテた人でもモテなくなってくる。
加齢による体力の衰えや、親の介護などの生活環境の変化など、色々な不安要素が増えてくるんですよね。特に介護に直面していると、自分ひとりで支えられるのかなと思うし、自分もこうなるのかっていうのが現実になってくるんですよ。
50代の恋愛と介護の問題
――あぁ、親の介護は本当に不安になりますよね。正直恋愛どころではないというか・・・。
そうですね。親の介護をされている方は、恋愛に対して引け目を感じる方も多いですね。例えば男性ですと、「自分と一緒に介護してくれる、パートナーを探してんじゃないか?」みたいに思われちゃわないかなと、引け目に感じていることが実際にすごく多いです。
――わかります、とても言えないです。自分なら無理です(泣)どうすればいいんでしょうか・・?
そこはもう、ぜひ、言ってください。今、親の介護をやってますよと。ヘルパーさん入れて一緒に見てますとか、施設に通わせてますってのは、素晴らしいことなんです。
胸をはって堂々と言った方がよくて。そのほうが、本当の魅力が伝わるじゃないですか。
親を放置してます!親の状態とか知らん!って人よりも、よっぽど魅力的です。
介護をしていること自体、本質的に優しい人なんだという証明でもあり、本当にすごい素敵なことなんだけど、あまり言いたがらないから、ますます魅力が隠れちゃう。
もったいないなと思います。
――確かにあんな大変なことやってるわけですからね。介護していることを弱みではなく強みに変えるということですね。
はい、そうです。尊敬します。
男女ともに、もう50歳を超えてくると、いろいろな人生経験があるので相手を見る目も肥えてきてるんです。あとやっぱり、人生が表情に滲みでます。若さは衰えますが、内面が充実してくるので、使う言葉の端々や会話の中身が違うんです。
異性に対する評価軸として、内面を重要視できるようになるんです。
ですから親の介護をしているってのは最高です。
本当は星5つぐらい、すごいアピールポイントなんですよ。
50代はどこで出会いを求めるのが良いのか?
――アピール手法も年齢によって変化していくんですね。けどそのアピールできる場所や出会いの場はどこにあるんですか?
やはり多いのは、趣味の延長での出会いですよね。
「自転車やってます」とか、「陶芸始めました」とか、そういうところでの出会いですね。
けれど50代〜60代になると安定してくるんですよね、良くも悪くも。生活パターンとか人間関係とかが安定してくるので、結局はいつも同じ人しか会わなくなってきちゃいます。
そうなると新しい出会いは、なかなか無いですよね。
例えば、恋愛が盛り上がる場としては、同窓会や同級会があります。60代からの恋愛が発展する場所の定番です。
その他では、地域活動から発展する恋愛も多いんですよ。50代女性は、勤め先、パート先の人間関係の中で、恋愛をされる方が多いです。問題は男性。
特に、50代〜60代の男性は、生活の半径というか行動範囲が決まっちゃっているので、なかなか新しい出会いにたどり着けないんです。
――僕も趣味が無いので、わかります。そういう場合、何か方法がありますか?
リアルの場合、趣味で出会わなければ、他のチャンスはなかなかないです。
50歳以上と称している街コンもありますが、実際に行ってみるとわかると思いますが、3-40代の参加者が多く、5-60歳は肩身が狭くなります。
だからこそ私は、インターネットのプラットフォームがめっちゃめちゃいいと思っています。インターネットに一歩踏み出すと、絶対に普段の生活では出会わない人と繋がるじゃないですか。
この「繋がっていく」って感覚がすごい大事だなと。
そもそも私が「R50time」を始めたきっかけは、孤独死を無くしたいというのがあるんです。
50代以降の出会いと孤独死の因果関係
――え?!孤独死をなくす?
7年前に、このビルの3階で孤独死をされた男性がいたんです。その事実を知った時は、我々は斜め前の違うビルにいたんですね。
シニア向けメディアを作っていて「人生を謳歌しよう」と唱えていたのに、斜め前のビルの3階に孤独死の男性がいたってことに気づけなかったし、救えなかった。
シニアの幸せを願ってメディアを作ってるのに、自分たちは目の前の人も救えないんだって思ったらたまらなくなってしまい、そのビルに引っ越すって決めたんですよ。
みんなには大反対されましたけどね(汗)
なんとか説得して引っ越してきて、このビルに火を灯そうという一心で頑張ってきたので、もはや、守護神みたいなものですかね、笑。
孤独死されたその方に、よく話しかけるんですよ。
「何があったら、あなたを救えたのでしょうか? あなたが社会に繋がるには、どんなサービスならいいのでしょうか?」って。
不動産屋の方から、亡くなったのは意固地な男性で、周囲との繫がりがなかった方だと聞きましたが、彼がこの世に存在してくれていたことに感謝をしています。
――なるほど、そんなことがあったんですね。
ひとり身の男性は孤独死になりやすいのです。高齢の男性って社会に出ていけないんですよ。地域活動にも出てこない。
女性は老人クラブ連合会とか、いろんな地域活動に出れるのですが。そうなると繋がりがどんどんどんどんどんどん少なくなっちゃって、誰とも会話をしなくなる。
NPOの方々と一緒に居宅訪問をしていましたが、3か月間、誰とも話していない高齢者が、この世の中にはたくさんいるんです。
我々のメディアでシニア向けイベントサークルをやっているのですが、そういう会に参加すると60歳過ぎてからでも友達が増えてくんですよ。
60歳以上の男性の分岐点は「リタイア後に自分の活動場所を新しく見つける」のか「これまでの人間関係で生きていくのか」なんですよ。
これによってこの先、本当に違うんです。これまでの人間関係だけで生きてる人は、年賀状の枚数が年々減っていくように友達が減っていき、孤独になりやすいです。
年賀状を減らすなんて、本当はゼッタイにやるべきではないのですが、断捨離とかの言葉が先行して、間違った認識が増えていくのはとても淋しいです。
一方で、新しい人間関係を作れた人はすごいスパイラル的に繋がっていって、気がつくと色んな人に囲まれていくんですね。
誰かのために動ける人は、回りに人が寄ってくるんです。
たくさんのシニア世代の方をみてみましたが、驚くほどにその傾向があります。
――どう考えても自分は孤独死の予感しかしないです・・・どうしたらいいですかね。
どうして外に出ていけないのかっていうと、機会と役割と承認。役目をもらったり、自分で自分を承認してちょっと肯定してあげないと外に出れないんです。
例えば老人クラブ連合会の例で、地域の掃除に来てください!って言っても来ないんですよ。家に行ってノックしてお願いしても出て来ないんですよね。
どうやってその人を引っ張り出したかっていうと、「当番制」にして、役割を渡したんです。
例えばAさんは6月7日です。Bさんは来週の6月14日ですとか、そういう当番制にして、役割にすると出て来れるんですよね。
その人が来なかったから、その週は掃除出来ないってなると「それでは迷惑をかけることになる」と出てくるんです。そこでみんなが褒めるんです。
掃除してくれて本当に綺麗になりましたよ!と承認してあげると、地域に出ていけるようになるんです。
――そこからどんな感じで「R50time」を立ち上げたんですか?
シニアの人が一歩外に出るためのサービスって何だろうって、ずーっと考えてきて、きっかけになるのは「欲求」の強いところがいいだろうと、そうなるとやっぱり「男女」は強いんです。
我々のメディアでも、色んな連載をやってきた中で、男女に関する連載は一番強かったんですよ、圧倒的に。
最初は60代〜70代向けのプラットフォームにしようと思ったんですけど、色々リサーチしていく中で50代が寂しいんだよね、むしろ50代から寂しくなっていくんだなというのがわかったので「R50time」は50代からをターゲットにしました。
50代以上の恋愛に対して「本当に必要なことはなんなのか」を徹底的に研究している白形さん。その答えの一つが「R50time」なのかもしれませんね。 インタビュー後半では50代以上の恋愛を成功させるための極意や心構えについてより深く迫っていきます。
50歳から主役になれるステージ、それがR50Timeです。お一人さまも楽しいけれど、二人なら、楽しいことがもっと増える。 笑顔で食卓を囲んだり、手をつないで映画を見たり、お互いの人生を語りあったり、見知らぬ場所を旅してみたり。 ちょっとの勇気で、扉をあければ、見える世界は変わります。大人の人生に、1Moreときめき(ワンモアときめき)を。
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