普通の家族とは?多様化するヨーロッパの家族のかたち【LGBT】
今回の寄稿者さま

ペンネーム:鈴木みお
プロフィール:55歳。主婦歴17年。現在、海外在住です。国際結婚をしてティーンの娘ふたりを子育てしています。

海外に住んでいるとあらためて日本との価値観の違いを感じることがあります。そのひとつが家族観です。

日本と大きく違うところは「家族のかたち」が多様化しているということ。事実婚や同性婚、養子縁組は特別なことではなく、私たちのごく身近な日常にあります。

夫婦関係、親子関係が簡単にひとくくりにできないヨーロッパ。社会の中でいろいろな立場の人々の権利や幸せが法律で守られているのだと実感します。

「幸せのかたちは人それぞれ」そんな文化が垣間見られるヨーロッパの家族のあり方について紹介します。

同性婚は社会が変わってしまう?

同性婚が世界で初めて法的に認められたのは2001年オランダです。ベルギーは2年後の2003年に合法化されました。

それから約20年。同性婚で社会は変わってしまったのでしょうか?もちろん時代の流れとともに変化があります。LGBTの人々の差別が禁止され、権利が守られる社会になりました。

15年以上前、ベルギーの幼稚園に通っていた娘のエピソードです。友だちのことを羨ましがっていたので、どうしてかと聞くと

「だって、マノンはママが二人いるんだよ」

その言葉を聞いて、こんな考え方もあるのだと気づかされました。子どものころから身近に同性婚のカップルがいるということは、そのような環境を通じて自然にいろいろな家族のかたちを受け入れられるのだと感じました。

婚姻にしばられない事実婚

ヨーロッパの多くの国で法的に認められているパートナーシップ制度。

事実婚でありながら婚姻と同等の権利を得ることができます。フランスのパックス(PACS)は有名ですよね。性別に関係なく成人したカップルが利用できる制度です。

ベルギーにも婚姻しないカップルはたくさんいます。友人に理由を聞いたら「結婚するメリットを感じないから」というシンプルな答えでした。確かに共働きで経済的に自立しているし、家のローンも組めるし、子どもは二人で扶養しています。結婚していても事実婚であっても家族のあり方について世間の偏見はありません。

ヨーロッパの人々にとって婚姻関係があるかないかは重要ではなく、人生を合理的に暮らしていく、その選択肢のひとつが事実婚なのです。

養子縁組は新しい家族のかたち

ベルギーでは外国からの養子縁組が珍しいことではありません。実際に娘の同級生には中国やベトナムから来た子どもたちが何人かいました。夫の友人は幼いころに韓国から養子に迎えられ、ベルギー人として生活しています。

多くの家庭が養子縁組であることをオープンにしています。血のつながらない親子関係は特別なことではありません。不妊治療をしていたり、同性婚だったり、子どもがほしいカップルには養子制度が紹介されます。実子でも養子でも同様に子どもの社会保障や権利は守られています。

まとめ

ヨーロッパの家族のかたちは様々です。

多様な人種や国籍の人々がいれば違っているのは当たり前。だからこそ時代の流れに合った制度がつくられ変化に対応しています。

家族のかたちを自由に選択できるというのは幸せなことだと思います。

< 了 >

※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

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