「
年金受給者でもクレジットカードは作られる?」
「そもそも高齢者はなぜ審査に通りにくい?」 クレジットカードを始め現在ではキャッシュレス決済が主流になっています。カードを使うことで支払いがスムーズにできたり、海外旅行保険が付帯するなどメリットがあります。 しかし、高齢者の方がクレジットカードを持つ場合、その審査や使用上のトラブル・注意点などについてしっかり把握しておくことが大切です。 今日は、そんな高齢者はそもそもクレジットカードを作られるのか、その場合どのようなことに気をつけるべきなのかなどについて詳しく解説します。
高齢者でもクレジットカードを作れる?
まず、結論ですが、
高齢者であってもクレジットカードは作られます。 巷では、「高齢者や年金受給者は収入が安定しておらずクレジットカードを作るのは難しい」といわれますが、確かに間違ってはいないもののカードを作成すること自体は問題ありません。 実際、クレジットカード大手のJCBが2020年に行なった
調査によると、
実に高齢者の9割以上がクレジットカードを保有しているということがわかっています。
20代や30代などの若い世代よりも多く、最も保有率が高い世代というのが驚きかもしれません。 ちなみに、どのくらいのカードを保有しているかという問いに対しては、60代の男性で平均4枚、女性で3.3枚であり、同世代の男性の携帯枚数は2.4枚、女性は2.2枚です。 そんな高齢者がクレジットカードを作るのにはメリットが多く、大きく下記の3点が挙げられます。
現金で支払いをするとお金を数えたり、探したりで何かと時間や手間がかかってしまいますが、クレジットカードにすることでスムーズに支払いが完了しますし、高齢者になると狙われやすい不正利用などセキュリティ面でのメリットも大きいです。 そんな日頃の買い物で貯まったクレジットカードのポイントで別の買い物をしたり、特典をもらったりするのもクレジットカード特有の凄さです。
高齢者がクレジットカード審査に通らない原因
実にほとんどの高齢者が何かしらのクレジットカードを持っており、日常的に使っていることがわかりました。 しかし、
高齢者にとってのクレジットカードで厄介なのがその審査です。 クレジットカードは信用やり取りですので、事前のカード審査に通らなければどんなにカードを持ちたくても持てません。 高齢者がクレジットカードの審査に通らない原因について見ていきます。 大きく3つあります。
収入が不安定
まず、クレジットカードを作る上で大切なのがいかに安定した収入があるかということです。 クレジットカードは信用やり取りといいましたが、買い物をしてカード会社が先に支払いをしてくれ、その後あなたが払う形になります。 これはあなたがいずれ返済してくれるという信用があるからこそできる取引です。 しっかり経済力があるか、返済力があるかは収入によって異なり、その中でも安定性は欠かせません。 収入の安定性は何も高齢者に限った話ではなくカードを作る人全てに関わる内容ですが、特に高齢者は年金受給者が多くこれが原因で審査に落ちるケースは珍しくありません。 クレジットカード会社によってはそもそも年金受給者は不可とするところや可であっても審査が厳しいことがあります。
記入ミス
これは意外かもしれませんが、実際クレジットカードの審査をする際に記入する書類のミスが原因で落ちることがあります。 高齢者になり集中力が若い頃よりも落ちたり、老眼で見えにくかったりすることが原因で、正しく書いているつもりでも記入ミスが起こりそれが審査基準になって落ちるというわけです。 ただし、もし記入ミスがあるのならクレジットカード会社から別途連絡が来るのでは?と思うかもしれませんが、実は
審査は主に機械によって行われておりミスかは見分けられません。 こればかりはクレジットカードを申し込む際に、気をつけて書類に記入するしかありません。 条件を満たしているのにも関わらず落ちてしまうのは非常にもったいないです。
カード選びが不適切
クレジットカードと一言でいっても、その種類は多岐に渡ります。 一般カードやゴールドカード、プラチナカード、年会費無料か有料か、特典やサービスはどのくらいついているのかなど何を目的にするのかによって選ぶクレジットカードというのは異なります。 高齢者の方でクレジットカードの審査に通らない原因の1つに、このカード選びを間違えてしまい落ちるというのがあります。 例えば、先のに関連すると、年金受給者でありながら年金受給者不可のカードに申し込みをすれば当然ダメでしょうし、年会費が100,000円するようなゴールドカードに収入が少ない中申請すればダメでしょう。 自分の目的は何かをしっかり再確認してカードを選びをすれば審査に落ちる原因を減らせます。
高齢者がクレジットカードの審査に通るコツ
高齢者はそもそも経済的な側面などから、若い現役世代に比べるとクレジットカードの審査に通りにくいという現実があります。 では、どのようにすれば高齢者でもクレジットカードを持てるのでしょうか。 そのコツを解説します。
年金受給者でもOKなカード
まずは、年金受給者である高齢者でも持てるカードを選ぶことです。 具体的には、クレジットカードの申し込み時に記入する職業欄に「年金受給者」という項目があるカードで、これは年金を受け取っている高齢者の方でもOKですよという意味合いです。 もちろん全ての年金受給者である高齢者が審査に通るのを保証するものではありませんが、彼らを想定しているカード会社であることは間違いないので
審査に通る可能性は他よりはあると考えられます。 ちなみに、年金の中でも国民年金よりも支払額・支給額ともに多い厚生年金の方が審査に通りやすいといわれています。
年会費無料のカードを選ぶ
最近では、年会費無料のカードが数多く出ており、無料の割に海外保険が充実していたり、ポイント還元率が高かったりとサービスも決して低くはありません。 ただ一般的に年会費が高くなるとそれだけ豪華な特典やサービスが付帯していたり、海外旅行保険がより手厚かったりと審査のハードルは高くなります。 そのため、できるだけ年会費無料で審査が柔軟なカードを選ぶことで高齢者の方でも安心して申し込みができます。
利用限度額を最小限にする
クレジットカードの利用限度額というのはカード会社が決定しますが、申し込みをする際にその希望を出せる場合があります。 その際に、なるべく低く出しておくことで審査に通りやすくなります。 なぜなら、利用限度額が高ければ高いほどそれに見合う収入など経済状況を証明しなければいけないのでハードルが上がります。 希望限度額を最小値に設定しても、普段の買い物など使い勝手としては問題ないでしょう。
キャッシング枠をなしにする
クレジットカードには、買い物の「ショッピング枠」とATMから現金を引き出す「キャッシング枠」があります。 後者のキャッシング枠をつけるのは自由ですが、高齢者の場合はできるだけキャッシング枠はなしにすることをおすすめします。 というのも、
消費者を過度な借入れから守るために年収の1/3を超える貸付を基本的に認めない総量規制という制度が存在し、これによりキャッシング枠をつけることで審査に影響が出る場合があるからです。 普段使いであればキャッシング枠はあまり必要ないので、「なし(0)」でもOKです。
他社からの借入をない状態にする
クレジットカードの審査では、他社からの借入金額を記入する項目があり、仮にある場合は審査に影響することがあります。 「他から借入があるのにこのカードを利用してちゃんと返済できるのか」という懸念を持たれ、仮にどこかからローンなど借りているものがあればできるだけない状態にしておくといいでしょう。
高齢者がクレジットカードを使う上での注意点
高齢者がクレジットカードを持つとトラブルなどに巻き込まれる可能性があります。 クレジットカード使用上の注意点を解説します。
詐欺
振り込め詐欺やフィッシング詐欺など高齢者は詐欺の被害に遭う可能性があります。 特に振り込め詐欺は高齢者をターゲットにするよくある詐欺の手法であり、電話にてATMに現金を振り込むよう要求するものですが、最近ではクレジットカードでの支払いを求められるケースも珍しくありません。 クレジットカードでの支払いによってカード番号や暗証番号などを不正入手されるため、十分注意が必要です。 フィッシング詐欺においては、本物と似たウェブサイトに誘導しアカウント情報を盗み出すもので、インターネットなどに慣れていない高齢者の方は被害に遭いやすいといわれています。 パッと見ただけでは本物のウェブサイトと区別がつかないので、非常に厄介な詐欺の手法といえるでしょう。
使いすぎる
クレジットカードは便利なものなので、ついつい買い物をしすぎてしまうことがあります。 現金として手元からお金がなくなっていくわけではないので、気がついた時には何十万円…ということは少なくありません。 また先に紹介した限度額を超えてしまうと、クレジットカードの利用ができなくなりますので気をつけましょう。 何にお金を使ったかをこまめにチェックしたり、家計簿をつけるのも有効です。
高齢者におすすめのクレジットカード
ここまで、高齢者でもクレジットカードは持てるのか、審査ハードルや保有する際の注意点などについて解説しました。 そこで気になるのが
高齢者におすすめのカードはどれなのかということでしょう。 最後に高齢者にぜひともおすすめしたいクレジットカードを3枚ご紹介します。 60代以降の高齢者の方でクレジットカードを探している場合は、このいずれかを選択肢にすることもオススメです。
イオンカードセレクト(G.Gマーク)
年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5% |
カードブランド | VISA・Mastercard・JCB |
付帯保険 | ショッピングセーフティ保険 |
申請条件 | 55歳以上 |
まず最初にご紹介するのは「イオンカードセレクト」です。 イオンでよく買い物をする高齢者の方には最適の1枚で、イオン系列のお店使うとポイント還元率が2倍になります。 イオン以外の店舗では0.5%ですが、毎月10日はこちらもポイントは2倍です。 イオンカードセレクトは、
家の近くにイオンがあったり、ポイントもうまく貯めていきたいという方におすすめです。 ちなみに、このカードについてい
るG.Gマーク「グランドジェネレーションマーク」は、55歳以上の方のみ希望で同マーク付きのカードを発行できるもので、G.G感謝デーなどで割引で買い物を楽しめます。楽天カード
年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | 1% |
カードブランド | VISA・Mastercard・JCB・Amex |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険、盗難保証 |
申請条件 | 18歳以上 |
国内取得率No.1の大人気クレジットカード「楽天カード」、こちらも年会費は永年無料でポイント還元率は1%です。 楽天ポイントは楽天市場やカードの支払い、街中でのショッピングなど広範囲で使え、非常にお得なキャンペーンを定期的に実施しています。 海外旅行保険も利用付帯でついており、最もチェックすべき項目の傷害死亡・後遺障害 では2,000万円まで補償されます。 老後の海外旅行を楽しみたいという人にも安心です。
楽天カードは高齢者の方にも審査は柔軟に行われるといわれています。
アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード
年会費 | 13,200円 |
ポイント還元率 | 1% |
カードブランド | Amex |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険、スマホ補償 |
申請条件 | 18歳以上 |
高級感のあるクレジットカードとして知られているアメックスカード。 こちらはアメリカンエキスプレスが発行するプロパーカードで、持っているだけでステータスになります。 年会費はやや高めですが、
カード申し込みの職業記入欄にはしっかり「年金」の箇所があり、高齢者の方でも申請できます。 海外旅行保険は同項目で5,000万円まで付帯しており十分、スマホを落として画面を割ったり水濡れなどの故障も3万円までを限度に補償するスマホ補償もついています。 アメリカン・エキスプレス・グリーン・カードは、国際的なステータス性のあるカードが欲しいという方にベストな選択肢になります。
まとめ
基本的には、高齢者の方でも審査で不利になることはあるもののカードを作ることは可能です。 クレジットカードの種類によっては高齢者の方でも問題なく作られるだけでなくセキュリティ面など安心して使えるものがあるので、それらを参考に選んでみてください。 ここで紹介したおすすめカード3枚の他にも、高齢者の方に便利なものがありますので、別記事にて詳しく解説しています。 クレジットカードを探している高齢者の方はぜひ参考にしてください。 <了>
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。 ※記事に使用している画像はイメージです。