みなさんこんにちわ。
前回に引き続き、氷河期世代の申し子でアラフィフ編集の竹井が株式会社ソーシャルサービスの代表取締役社長で50代の恋愛に関するスペシャリストでもある白形 知津江さんに50歳以上の婚活や恋愛事情について根掘り葉掘り聞いていく企画の後編です。
前編はこちら
株式会社ソーシャルサービス
代表取締役社長 白形 知津江
大手広告代理店を経て2005年起業。 WEB事業でJapan Venture Award2010を受賞。2012年よりシニア事業を開始。中高年シニア、周産期、小学校メディア事業の経験から、フィジカルとメンタル、コンテンツと医療の融合に挑戦する。日本応用老年学会理事。2022東京女性経営者アワード受賞
多種多様!50代以上のマッチング成功事例
――これまでで素敵なマッチングとかシニア恋愛の事例はありますか?
はい、シニア恋愛はいくつも事例があります。
実は50代の女性と70代の男性のカップルって結構多いんですよ。 例えば二地域居住しながら、岐阜と大阪にそれぞれ住んでて。 冬場はこっちへ行くとか、夏は一緒に過ごすとかそういう恋愛をしてるんです。 それってすごく素敵だなと憧れます。
そういう恋愛があることは夢があるし、インタビューした70代男性のお話しではパートナーの連れ子さんのことを、新しい孫が出来たようだと話していて、とても楽しそうでした。
――20歳年下のパートナーって夢がありますね。
とある男性は、国語の先生をずっとやられてて、リタイアして奥さんと一緒にようやく旅行でもしようかなと思った矢先に先立たれちゃったんですね。 すごいショックで落ち込んでいたのですが、失望の最中に50代の女性と知りあって、悲しみ聞いてもらったのがやり取りの始まりだったんです。
そこから最終的に結婚という形式はとらないのですが、パートナーという関係になりました。
50代の女性も離別を経験しており、ひとりで子供を育ててきたんですが、やはり寂しいし不安だった。
最終的に彼女は、彼にとって頼れる人になっていき、彼の喪失を彼女が埋めて、今度は彼が彼女の寂しさを埋めてあげる。
とても素敵な関係ですよね。
――なんか心と心の結びつきって感じですね。ピュアです。
私はこれまでのシニア事業を通じて、そういう人をたくさん見てきているので、パートナーの存在ってとても大切だと思っています。
さきほど話したリタイアした後の人生に関わる大きな分岐点で言うと、ひとり身の男性の場合は恋愛を通して、まだ見ぬ誰かと繋がることが心のエッセンスとしてとても効果的だと思います。
私はこの「R50time」を「社会的処方」にしたいと思っているんです。
社会的処方とは、薬ではなく、社会交流によって、心身の問題を解決することで英国やオランダでは医療として処方されるものなのですが、アプリを通じて見知らぬシニア同士が繋がって、日常の会話が繰り広げられる世界になるっていうところに持って行きたい。
――そうなると20代や30代の人より同年代の方が、話しかけやすいし、入りやすいですよね
経験してきた時代や時間帯が一緒なんです、例えばカラオケで歌う歌が一緒みたいなものですよね。
そういう「時代を語れる」って50代以上の特権ですよね。積み重ねた人生の宝もの。
それはすごく素敵なことだなと思います。
50代以上の出会いは写真が全て?!
――僕もそうなんですが、50代近くなると見た目などを理由に恋愛に自信がない人が多いと思うんですよね・・・
男性は女性のような美容意識を持っていないというのもありますが、50代男性は本当に魅力発信が下手なんです。
例えば、自撮り写真を常日頃から持ってる男性は少ないですよね。そしていざマッチングアプリに登録して写真が必要になった時、その場で自撮りをするのですが、殆どの人が下向きから写真を撮っちゃうんですよね。
そうなると二重顎になるわ、目も小さく映るわ、しかも無表情。
本物以上にすっっっごい不細工な写真になるんですよ。
そこで是非試していただきたいんですが、腕を思いっきり最大限まで伸ばして、目線を合わせて、ちょっと笑って写真を撮るんです。 もう全然違う写真になります。これ、騙されたと思って、一度、やってみてほしい。ダンチです。
結婚相談所もマッチングアプリもそうですが、リアルで会わないところからスタートするので、写真のイメージが重要なんですよ。 先ほど、内面重視とお話ししましたが、内面を見てもらうためにも第一印象はやはり大事なんです。
でも50代の男性は知らないんです、自撮りの技術や、自分の魅力を伝える会話術を。 だから私達は自分たちのサービスを通じて、モテるおじさんをたくさん輩出していきたいなってすごく思ってて。
――自撮りって奥が深いな。でもこれで私もモテモテになれそうですね!
それだけではまだです(笑) 50代男性のありがちなパターンは、自分が何をしてほしいかを延々に語ること。
違うんですよ、GIVEなんですよ。何をしてあげれるのかを伝えればいいんです。
50代、60代になると、そんながっつかないで話をじっくり聞いてあげられるじゃないですか。 基本的に女性は何歳になってもお話を聞いてほしいんですよ。
「話を聞いてあげる」っていうニュアンスを伝えるだけでいいので。 そういう自分の魅力を発信出来てない人たちに、ちゃんと伝えていきたいなと思う。
50代以上の出会いから恋愛までの楽しみ方
――そういえば50歳以上の人たちはどんなデートをするんですかね?
実は若い時とあんまり変わらないです。
50代だから60代だからって、普通に手も繋ぎたいし、普通にイチャイチャしたいし、若い頃と何も変わらないんですよね。 でも、それを人前でやると恥ずかしいなっていう羞恥心があるだけ。
若い頃とやりたいことの本質は変わらないし、別に60代でも性交渉は普通にしますよ。
――あと初めて会ってからの交際やゴールまでの期間というか、そこまでに至る速度感はどんなもんすかね
今すぐ!という方より、時間をかけてと考える方が多いです。
若い男性だと今すぐ会いましょう!この後会いましょう!という感じが多いと思うんですが、それに比べると、もっとじっくりジンワリ仲を深めていきましょう的な。
慎重になっている、という言い方の方がいいかな。
モチロン性欲ファーストの人もいますが(笑)
会うにしても今すぐではなく、例えば夏休みに会いましょうとか。 あと遠距離でもOKなんです。若い人なら遠距離なんて即NGですよね。
「夏休み会いましょう」ってなっても、その日までに会話を重ねることでさらに仲良くなったり、生活にハリが出てくるんですよね。
――良いですね。けど僕なんかだと、そもそも声をかけられないというか。。。怖いんですよね。
もちろん消極的な人もいます。どうしても「失敗したくない」という気持ちも高まっちゃうんですよね。
これはもうね、そういう考えは排除すべきだと思ってるんですけど。
失うものがありますか?と聞きたい、笑。
リスク考えて慎重になるのは分かりますが、あと50年も生きられないんだから、失敗したから何?っていう感じですよ。
もうそろそろわかってくる年齢になりますが、経験しか人生の中に詰めるものがないんですよ。お金も物品も、それを持って棺桶に入ることはできないので、50歳を過ぎてしまったいま、あとどれくらいの経験ができるの?そんな機会がいくつあるの?と問いたい。
やるかやるないかで言うなら、やるしかないんですね。
ということを、もっともっともっともっともっと伝えたいなと。
50代以上の恋愛の極意とは
――もう耳と心が痛いです涙。考えるな!動け!ですね。 心と心の繋がりというか、中身重視といいますか、シニアの恋愛は深いです
私が見てきて感じた、シニアの恋愛の一番素敵なところは「支え合う」ということです。
さっきの国語の先生の事例もそうだし、もう一つ違う事例があるんですが。その人たちは籍を入れたんですよね。
旦那さんの方は介護の仕事をしてる方です。昔はパリパリのビジネスマンで定年後に再雇用みたいな感じで介護職につきました。 介護施設ではアドバイザーとか相談員をされているのですが、そこに重度の精神障害を持った娘さんの面倒見ているお母さんがやってきたんです。
その娘さんは一人で食事はできないし、喋れないし、もうずっと車椅子生活なんですね。 シングルマザーとして頑張ってきたお母さんから相談を受けているうちに、愛が芽生えて、最終的に結婚するんです。
お母さんは、ずっと一人で娘を育ててきて60歳を目前にして、このまま、生涯この娘のために生きていこうと決めていた。しかし、いつも訪れる福祉施設で、再雇用の相談員の方と出会ったわけです。旦那さんは、10年ほど前に奥さまに先立たれていて、もう仕事しか生きがいがなかったんですね。
子供たちも大きくなって独立しているし、ようやく夫婦二人でゆっくり過ごそうとした矢先に先立たれ、淋しさを抱えながら仕事に没頭して、一人で生きてきたわけですね。
彼女と出会ったことによって、自分の存在がこの母子の支えになれると感じたそうです。 これまでは、家に帰っても70代男性がひとりで食事を作り、ひとりで食事をかきこむだけの日々が、今では娘さんにご飯食べさせて、その笑顔を見ながら家族と過ごす生活がありがたいと仰っていました。
シニアの恋愛は深いって話しでしたが、背負っている人生の重みが違うんですよね。
だからこそ、「お互いに支え合おう」と思えるのが一つテーマになるのかなって思います。
――改めてですが、パートナーへ寄り添うというのは本当に重要なんですね。そうなると将来的にはお互いの介護も視野に入れる必要もあるんですか?
すごいドライな話なんですが、例えばアメリカだと、付き合う前にどちらかが介護状態になったら介護しませんよって契約を結んで付き合ったりするっていうこともあります。 お互いに財産分与はしませんよみたいなことを決めて付き合うケースもよくあります。
お互いの価値観を伝えあうことは、いいことだと思います。
けれど、みんながみんな、最初から覚悟を持って付き合うわけでもないです。 現時点での自分の状況とか相手の魅力は、将来的に変わるかも知れない、それは当然のことです。 だからこそ、いまどうしたいのか、を重視していいと思います。お付き合いすると自我が芽生えてぶつかり合うこともあるじゃないですか。
若い頃だとそれが原因で別れることもあるのですが、60代以上だと許せるし許し合いやすくなるのも良い所ですよね。
――角がなくなっていく感じですね。あとさっき20歳差カップルとかありましたが、歳の差カップルが多いんですか?
そうですね。普通にあります。
ある程度の年齢までいくと、上も下も含めて歳の差はそんなに大きな問題にはならなくなります。 60代と70代の恋愛は当たり前ですし、70代女性と50代男性の恋愛も普通にあります。
老人ホームでも80代、90代の恋愛はごくごく当たり前です。
――なるほど。婚活やパートナー探しを積極的に行い、成功する方のマインドやライフスタイルってどんな感じですか?
さっきもありましたが「一歩を踏み出せる人」です。 一歩踏み出せたら本当に全然違ってくるんですよ。
私たちはセカンドライフを応援するコンテストとかをずっとやってきてるんですけど、やっぱり、リタイアするまではみなさん会社人間なんですよね。 特に男性はぎこちないんです。
けど一歩踏み出すとまたそこで新しい出会いとかあるんですよ。 50代以上なんて全然、まだまだ結婚や新しいパートナーが出来ますよ。
――50代〜60代以上でも若い人が考えるよりは全然恋愛できるということですね。
想像されているよりも、ディープなお付き合いをする方は多いです。
若い人から見ると、おじさんおばさんってそういう身体の関係はないんじゃないかと思うかも知れませんが、そんなことなくて。 ラブホなんて昼間はもう60歳以上の方が相当利用してます。だからシニア割とかやってたりするホテルも多いですよね。
素敵なことだと思います。
50代以上の婚活の未来
――恋愛に年齢は関係ないって改めて思いますね。本当に今日は色々貴重な情報ありがとうございました。改めてになりますが御社目線で現在のシニア層にとっての結婚相談所、マッチングアプリの市場や状況についてどう考えていますか?
結婚相談所については目的が「成婚」なので、シニア世代のゴールとは必ずしもマッチするわけではないのですが、市場的にみると一定数の割合で「結婚」を求める方々はいらっしゃいます(結婚相談所の利用者は過去10年横ばい。近年やや低下) ただかかる費用はとても高額なので、利用するには少しハードルが高いように感じます。(結婚相談所の参考料金:入会金10-40万+月会費1-2万+成婚費20-30万)
中高年のマッチングアプリ市場に関しては、現在、アダルト系、パパ活系、既婚者系、恋愛系に大別されますが恋愛系はまだほとんどありません。 テレクラ世代なので、マッチングアプリと聞くと、アダルト系を想起する方の割合が多い世代でもあり、マッチングアプリの市場浸透が遅れています。
――なるほど。そんな中で御社が運営する「R50time」というのはどういう特徴があるのですか?
我々は2014年に中高年メディア『どきどき』を創刊して、年間360万部発行してきました(現在は休刊中)。 R60全国スマイルコンテスト、R65全国どきTuberコンテストらの主宰を通し、厚生労働省、自治体、シニア団体、企業と一緒に、中高年に特化したメディアやサービスを作り続ける中で、シニア恋愛の重要性を痛感して、「R50time」開発を行いましたので、シニアの恋愛や性愛に真剣に向き合い、ど真ん中からこのサービスをやりたいと思っています。
アプリ自体も20-40代にとってスタンダードなサービスとなったマッチングアプリを、5-60代向けにカスタマイズしました。 機能をシンプルにして直感的にわかるUI/UXを採用しスマホに慣れてない方もすぐ活用できるように設計しています。
SNSで魅力を発信する経験が少ない中高年向けにマッチングアドバイスも行なっています。 (有料会員に提供。オンラインかチャットでの相談会を実施)
50歳から主役になれるステージ、それがR50Timeです。お一人さまも楽しいけれど、二人なら、楽しいことがもっと増える。 笑顔で食卓を囲んだり、手をつないで映画を見たり、お互いの人生を語りあったり、見知らぬ場所を旅してみたり。 ちょっとの勇気で、扉をあければ、見える世界は変わります。大人の人生に、1Moreときめき(ワンモアときめき)を。
<公式サイト>
――最後にキラキラシニアタイムスの読者にメッセージあれば!
夏の恋が、一瞬に燃え上がる短期決戦のものだとしたら、秋に生まれた恋は、じっくりと育んで、味わいが増すものという気がします。
じっくりと育み、味わいながら深める力は、人生を芳醇に醸造する、大人だけに与えられた、魔法のパワーではないでしょうか。
50歳からの新しいステージで、すてきな恋を育み、すてきな人生を謳歌してください。
命みじかし、恋せよ、おとな!
50代以上の出会いや婚活のまとめ
50代以上の恋愛は自分の欲求を叶えるだけではなくパートナーに寄り添い、共に支え合う精神がポイントだというのが今回印象的でした。
あとは歳を重ねても若い頃と変わらない部分もありつつ、人生における恋愛の集大成を肩肘張らず自然体で取り組む。
これがシニアの恋愛のポイントだと感じました。
まずは僕も「一歩を踏み出して」新たな出会いを見つけてみようと思いました。
前編はコチラ
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