認知症による徘徊で迷子や行方不明になった件数は年間で約1万7千件(※1)で、この数字はこれからも増えていくと予想されています。
※1:警視庁「認知症の行方不明者の推移」
届出のないものも含めるとさらに多くの行方不明者がいるといわれており、徘徊による迷子、行方不明は他人事ではなく自分の家族にも起こりうる可能性が高くなっています。
そのような状況を踏まえ、この記事では認知症患者の徘徊に関する基本的知識や対応の方法、役立つアイテムについて解説します。
認知症の徘徊とは?
認知症の徘徊とは、認知症患者が自分の意志や目的を持たずに、家の中や外出先でさまよったり、無意識に歩き回ったりする行為です。
徘徊は、認知症患者にとって危険を伴う行為であり、家族や介護者にとっても大きな悩みとなります。
徘徊の原因は患者の状況や病状によって異なり、対策もそれぞれの患者に合った方法が必要です。
認知症患者が徘徊する理由
認知症患者が徘徊する理由は複数ありますが、以下のような要因が挙げられます。
- 知識や記憶の喪失
- 不安感やストレス
- 認識力の低下
徘徊のリスクと対策
徘徊行為には、事故や迷子になるリスクがあります。対策として、以下の方法があります。
- GPS機能付きの追跡デバイスの使用
- サポートサービスの活用
- 住居の安全性向上
家庭で出来る認知症患者の徘徊対策
まずは今からできる自分たちでも対応可能な対策について紹介します。
居住環境の工夫
家庭で認知症患者の徘徊対策を行う際、居住環境を見直すことが効果的です。
- 施錠や防犯カメラの設置
- 家の中で目印となる色や形の工夫
- 明るい照明の確保
サポートサービスの活用
家庭での徘徊対策として、以下のサービスも活用していきましょう。
- 訪問介護サービス
- デイサービス
- 短期入所サービス
日常生活のリズムを整える
認知症患者の徘徊対策として、患者自体の日常生活のリズムを整えることが重要です。
- 規則正しい生活習慣の確立
- 昼間の活動量を増やす
- 適切な睡眠環境の整備
地域での認知症患者の徘徊対策
地域の支援センターや警察との連携
地域内のコミュニティーとの連携は効果的です。
- 迷子防止タグの普及
- 地域の支援センターや警察との情報共有
- 地域住民の協力体制の構築
地域活動やボランティアの活用
地域で認知症患者を支援する活動やボランティアに参加することで、徘徊対策に役立ちます。
- 認知症カフェの開催
- ボランティアによる見守り活動
- 地域イベントでの啓発活動
認知症患者と家族の心のケア
家族向けのサポート
認知症患者の徘徊は家族にも大きな負担をかけます。家族の心のケアも重要な対策と言えます。
- サポートグループやカウンセリングの利用
- 家族向けの情報提供や教育プログラム
- 自分自身のストレスケア
認知症患者の心のケア
認知症患者の心のケアは、徘徊対策の一環です。
- 穏やかなコミュニケーション
- 安心感を与える環境づくり
- 趣味や好きなことへの関心
役立つアイテム・グッズ
アイテムやグッズを活用することで、認知症患者の徘徊対策がより効果的になります。
家族や介護者は、患者の状況やニーズに合わせて選択し、安全性と安心感を高めることが大切です。
GPS機能付きの追跡デバイス
認知症患者が徘徊した際、GPS機能付きの追跡デバイスが役立ちます。
- スマートウォッチ型GPSデバイス
- GPS機能付き靴
- ペンダント型GPSトラッカー
迷子防止タグ
迷子防止タグは、子供向けだけでなく高齢者向けにも普及してきてます。
徘徊時に認知症患者を見つけやすくする役割がありますので効果的です。
- ICタグ付きの防水キーホルダー
- QRコード付きのブレスレット
- 防水シールタイプの迷子防止タグ
自動ドアロック装置
仕事で家を空けている時や目を離しているタイミングで自動ドアロック装置があると便利です。
- センサー機能付きドアロック
- タイマー設定が可能なドアロック
- 鍵穴カバー型のドアロック装置
仕切りや目印となるアイテム
家の中で目印となる色や形のちょっとした工夫が徘徊対策に役立ちます。
- カラフルなドアノブカバー
- 明るい色のカーテンやラグ
- 認知症患者が好むデザインの壁紙
夜間対策用アイテム
寝ている時などの夜間の徘徊対策として、以下のアイテムが役立ちます。
- ベッドサイドのセンサーライト
- 自動点灯機能付きのスリッパ
- 通路を明るく照らすLEDテープライト
まとめ
認知症患者の徘徊は、家族や介護者にとって大きな悩みです。
家庭や地域での対策を行い、役立つアイテムやグッズを活用することで、徘徊のリスクを軽減できます。
また、家族や患者の心のケアも重要です。
地域全体で協力し、認知症患者と家族を支える取り組みを進めることが大切です。
認知症患者の徘徊対策に重要なポイントをまとめます。
- 居住環境の工夫
- サポートサービスの活用
- 日常生活のリズムを整える
- 地域の支援センターや警察との連携
- 地域活動やボランティアの活用
- 家族向けのサポート
- 認知症患者の心のケア
- 役立つアイテム・グッズの活用
徘徊対策を総合的に行うことで、認知症患者の安全を守り、家族や介護者の負担を軽減できます。また、地域全体で認知症患者を支援する取り組みやボランティア活動に参加することで、より効果的な徘徊対策が実現できます。
最後に、認知症患者や家族が抱える問題は、一人ひとりの状況によって異なります。徘徊対策は、個々のニーズに合わせて柔軟に対応することが大切です。家族や介護者は、患者の状況を理解し、適切な対策を講じることで、認知症患者の生活の質を向上させることができます。
<了>
■認知症徘徊の体験談です
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