介護施設の利用費用の目安や補助制度について
今回の寄稿者さま

ペンネーム:ホーリー
プロフィール:介護職員歴約20年。有料老人ホームの介護職員を経て、現在は管理職に従事。

まず結論をお伝えすると介護施設の利用にかかる費用は、月に約10万〜40万円となります。

介護施設と一概に言っても、種類は様々です。

また、立地やサービス内容によっても、価格は大きく変動しますし、入居金も施設によってバラバラです。

とはいえ、各施設によって大まかに値段の相場があるので、今回は、それらをお伝えします。

介護施設の種類と費用の目安

  • 介護付き有料老人ホーム・・・・・入居金0〜数億円。 月額15〜40万円。
  • 住宅型有料老人ホーム・・・・・・入居金0〜数千万円。月額10〜35万円。
  • サービス付き高齢者向け住宅・・・入居金0〜数千万円。月額10〜30万円。
  • グループホーム・・・・・・・・・入居金0〜数百万円。月額15〜30万円。
  • 特別養護老人ホーム・・・・・・・入居金0。     月額15〜35万円。
  • ケアハウス・・・・・・・・・・・入居金10〜数百万。月額15〜30万円。

※食費や管理費、医療費等、全て込みの相場となります。

※都心が比較的高く、都心から離れるほど費用は安くなる傾向にあります。

介護施設の見学を推奨します。

価格の相場が理解できると、「立地」や「サービス」も気になると思います。

その場合は、確認したい施設に事前に連絡を取った後に、施設見学をすることをお勧めします。

理由は、案内役がすべての不安や質問に原則無料で答えてくれるためです。

 

例えば、介護付き有料老人ホームをそれぞれ3件見学したとします。

すると、施設見学の案内者から、価格もサービスも、空室状況も一気に訊くことが出来ます。

なにより、その施設に入るための条件を理解するという点に置いて、インターネット等で学ぶより格段に理解が深まります。

また、施設見学に行くことで、入居者や職員の雰囲気、外観、内観も確認することができます。

施設見学をしたい場合に、事前に連絡すると、丁寧に説明してくれるだけでなく、連絡の際、利用検討者の状態を説明することで

 

「そもそも入居が可能な対象者なのか?」

「施設は満室予定ではないか?」

 

を確認しておくことで、無駄な時間を減らすことができます。

 

介護施設利用時の補助制度について

続いて、補助制度についてお伝えします。

補助制度も、複数ありますので、ご紹介します。

 

高額介護サービス費制度

1ヶ月間に支払った料金が一定額を超えた場合に、超えた額が返還されます。

注意点は、対象は「介護サービス費」であり、住宅費や食費は含まれない点と、世帯年収でその上限額が決められている点です。

 

高額療養費制度

​​1ヶ月間の医療費が自己負担上限額を超えた場合に、超えた額が支給されます。

注意点は、上限額は年収と年齢によって異なります。

高額介護合算療養費制度

1年間にかかった高額介護サービス費と高額療養費の自己負担額の合計が、上限額を超えた場合に超えた金額分が払い戻されます。

注意点は、年齢と収入によって、上限額が異なります。

特定入居者介護サービス費

預貯金が少ない方が、介護保険施設に入所した際に、居住費や食費を軽減できる制度です。所得により限度額が決められており、超えた分は「特定入居者介護サービス費」として給付されます。

介護保険施設での医療費控除

1年のうち自身や家族が一定以上の医療費を払った際に、翌年の税金を安くする制度です。

介護サービス費や食費、居住費やおむつ代も計上可能です。

以上が、補助制度になります。

介護施設の費用や補助制度は入居前に調査を。

全ての補助制度に言えることですが、世帯年収等で、利用できるかが大きく異なります。

また、補助制度によっては、「対象外」となっている施設もあります。

 

例えば、介護付き有料老人ホームでは「特定入居者介護サービス費」や「介護保険施設での医療費控除」は対象外となっているため、利用できません。

 

しかし実例として、有料老人ホームに入居後に「介護保険施設での医療費控除」の為、おむつ代の領収書をずっと集めていたご家族がいました。

そもそも対象外であることを知るととてもガッカリしていました。

 

入居される際は、焦っているケースが大半です。

そのためご本人もご家族も、どのような種類の施設に入ったかを理解されずに入居されることが多々あります。

後になって「補助制度が利用できなかった・・・」と思っても後の祭りです。

必ず入居前に各種補助制度が利用可能か下調べをしておくことが必須といえます。



< 了 >

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※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
※記事に使用している画像はイメージです。

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