デイサービスは健康な人でも利用できるのかを知りたいと思っている人も多いでしょう。
まだ健康なうちからデイサービスで支援を受けたい、親はまだ健康だけどできればデイサービスでケアをしてもらいたいといったときに、申し込めば受け入れてくれるのでしょうか?
この記事では「健康な人」がデイサービスを利用できるのかどうかについて事実を説明します。
デイサービスは健康な人は受けられないのが原則
デイサービスは原則として健康な人は受けられません。
デイサービスは介護保険制度で通所介護サービスに該当します。
介護を必要とする人のために提供されているサービスなので、介護が不要で健康な人には受けられないのが原則です。
デイサービスの目的
デイサービスは加齢によって、心身機能が低下した人が自立して生活できるようにすることを目的としています。
家族がケアをしなければ生活が難しい状況から脱却するのが理想ですが、実際には簡単にできることではありません。
日々の生活の中でつらいと思うときに支援を受けたり、家族の介護負担を減らしたりすることが利用目的になっている場合がほとんどです。
健康な人で自立的に生活できるならデイサービスの目的にはそぐわないでしょう。
デイサービスの利用には要介護1以上の認定が必要
デイサービスは健康な人でも同じ年齢層の人たちとコミュニケーションを取りたいと思っていたり、健康だけれど家族としてはケアが負担になっていて通所して欲しかったりする場合があります。
ただ、通所介護サービスとしてのデイサービスは介護保険制度に基づく「要介護1以上」の認定がなければ利用できません。
シニアになっても要介護認定がないくらいに健康な人の場合には、デイサービスを利用することは法律上不可能になっています。
「健康」の考え方による利用可否の違い
要介護1以上の認定を受けていたとしても自分や家族が「健康な人」と思っている場合があります。
「健康」の考え方は人それぞれで、心身に不調を抱えていても「自分は健康だ」と思う人もいます。
認知症や虚血性心疾患、変形性関節症やリウマチなどの病気を患った時点で健康ではないと判断する人もいるでしょう。
しかし、要支援・要介護の判定基準は病気ではありません。
厚生労働省の定める要介護認定基準時間に基づいて判定されます。
例えば、要介護1では食事や入浴などの日常的な動作にまったく支障がなくても、買い物に歩いて出かけるのが厳しいくらいの状況で認定を受けられる場合があります。
逆に持病があっても、生活に困難が生じていない場合にはデイサービスを利用できません。
デイサービスを利用するのに必要な要介護1では「健康」の考え方によっては「健康な人」もデイサービスを利用できる可能性があります。
健康な人がデイサービスを受ける方法
自分や家族の認識として健康な人でも、デイサービスを受けるには2通りの方法があります。
利用の流れも含めて詳細を確認しておきましょう。
要介護1以上の認定を受ける
要介護1以上の認定を受ければ介護保険制度によって定められているデイサービスを利用できます。
要介護の認定を受けるためには医師による意見書と自治体による調査による判定が必要です。
認定を受けるには、まず医師による診察を受けて介護が必要な状況という診断を下してもらいます。
そして、市区町村の高齢者や介護に関連する窓口に問い合わせをして申請書を受け取り、必要事項を記入して提出します。
申請が受理されたら介護が必要かどうかを訪問調査されます。
その後、自治体が主治医に意見書を求めて取得し、認定の判定手続きを進めていくというのが流れです。
原則として30日以内に認定の可否の連絡があります。
一般介護予防事業をデイサービスの代わりにする
要介護認定を受けられなかった場合でも一般介護予防事業であれば利用可能です。
健康な人でも65歳以上ならデイサービスとしてイメージされている内容と同じようなサービスを受けられます。
心身の機能を向上させるための講習会や教室、ネットワークを広げて日々を楽しむための交流活動などに参加できます。
デイサービスとは違って身体介護や生活介助のサービスはありませんが、健康な人で活動度を上げたいと思っているときにはうってつけでしょう。
介護予防の活動として公的に認められているサービスなので、内容的にも安心して利用できます。
まとめ
デイサービスは要介護1以上に認定されていなければ利用できないのが原則です。
健康な人でも「健康」の捉え方によっては、要介護1以上の判定になることがあるので、医師に相談して申請してみましょう。
要介護判定を得られない人でも、デイサービスに期待していたのと同じようなサービスを一般介護予防事業の施設で受けられる可能性があります。
身体機能の向上やコミュニケーションの促進に適しているサービスなので検討してみてください。
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