前回に引き続き「老後2000万円問題」に向けた対策の一つとして、日々の生活費節約について解説していきます。
毎月の生活費として食費や消耗品費はいくらかかっているか、きちんと把握しているでしょうか。
実は、浪費している人は、この「毎月かかっているお金」を把握・管理できていないことが多いです。
生活費は大きく分けて二つ、家賃や水道光熱費などの「固定費」と食費、レジャー、消耗品等の「変動費」に分けられます。
今回は「変動費」の節約について、9つのステップを解説しいていきます。
自分のこれまでのお金の使い方を振り返り、どのような節約をしていけるのかを考えてみましょう。
老後2000万円問題について
1か月の生活費を把握してますか?
生活費にいくらかかっているかがわからない人は、まず「簡単な家計簿」をつけて収支を把握することをおすすめします。
昔と違い、家計簿を簡単につけられるアプリがたくさんあります。
今回を機に試してみるのもいかがでしょうか。
家計簿をつけてみると、自分自身の弱点が見えてくるものです。
- ごほうびのスイーツを買う頻度が多い
- 友人との飲み会・女子会をよくしている
- コーヒーチェーン店で食後のコーヒーをよく買う
- 昼食はいつもコンビニ弁当か外食だ
- 目的がないのにコンビニに寄って無駄な買い物をしている
時々のごほうびスイーツも生活に潤いを与えてくれるため、まったくゼロにはできないものですが、収入に対しての割合が「高すぎる」のは問題です。
家計調査の平均との比較も可能ですが、収入との兼ね合いもあるので、食費は手取りの15%程度という基準を設けましょう。
自分自身で「収入の割には、ちょっと使いすぎている」と思うのであればチェックしておくようにしましょう。
家計簿をつけるの面倒だと思ってませんか?
家計簿をつけるのは面倒なイメージですが、スマホで簡単に家計簿を管理できるアプリがたくさんあります。
例えばレシートの写真を撮影するだけの「スマートレシート」。
また、「マネーフォワード ME」や、「Zaim」、「Moneytree」であれば、証券会社などのお金にまつわる情報も入力でき、資産管理をするにも1つのアプリで完結。
そして、「家計簿レシーカ」ではTポイントがたまり、「CODE」ではdポイントなどに交換でき、家計簿をつけながら、ポイ活もできます。
自分のライフスタイルに合ったアプリを選んで、活用してみてください。
家計の立て直し!まずはここから
生活費を節約するには、細かい支出の見直しが大切です。
簡単なものから中上級者向けの内容まで9つ提案していきます。
出来ているかをチェックして、ひとつずつ実行していくことで節約につながります。
STEP1:スーパーマーケットの特売日に買う
ふだんの食費を節約するために何ができるか考えると、やはりスーパーマーケットの特売日に買うことで、確実に節約できます。
例えばイオンの場合、「お客さま感謝デー」の5%引きが有名です。
1度で5,000円使っているなら250円。
20日と30日の2日間で500円、それを1年続ければ6,000円。1度の節約金額は少額だと思っても、積み重ねていけば大きいです。
割引日だけでなくイオンでは「火曜市」に野菜が特売になっているなどあります。
近所の利用しやすいスーパーでもいいので、何曜日が特売になっているかを知って利用するだけでも節約効果はあります。
また、イオンの「お客さま感謝デー」直前は、いわゆる「ノーマネーデー」を設定して、何日間かはお金をまったく使わない日にする工夫も必要です。
スーパーマーケットに行くと、つい何か買ってしまうという人も「買わずに過ごす日」を決めるだけでその日は0円で過ごせるわけで、節約にもつながります。
STEP2:ドラッグストアの特売日に買う
スーパーマーケット同様、ドラッグストアでの特売日も節約には狙い目です。
というのも、ドラッグストアは食料品も多く揃い、ペットボトルを箱で買う、お酒をまとめ買いするのにも適しているからです。
代表的な例としては、ウエルシアホールディングスでの「ウエル活」で、毎月20日に200ポイント以上のTポイントかWAON POINTが、1.5倍で使えるというもの。
200ポイントなら300円相当額になり、ポイント数が多くなるほどお得度が増します。
これはポイ活でいくら獲得できるかにもよりますが、例えば、毎月5,000ポイントのポイ活ができれば、7,500円相当額で使え、1度で2,500円相当の節約ができた計算に。
また、ポイントで生活費をまかなえることができたなら、現金支出はゼロです。
スギ薬局では毎月15日16日17日の3日間はシニアデーで、60歳以上の人がお買物をするなら全品5%割引でお買物できます。
ドラッグストアの大型店は冷凍食品や野菜を売っていることもあり、節約にも大きく役立ちます。
アプリクーポンがあるドラッグストアや、ウエルシア以外のドラッグストアも選択肢に入れると、「今日はこのお店がお得」と、その時に選ぶべきお店を決めることができます。
STEP3:スーパーのPB商品にする
節約をするにあたって、メーカーやブランドにこだわりがある人もスーパーのPB商品(プライベートブランド商品)を試してみましょう。
有名なところではイオンのPB商品があります。
- TOPVALU(トップバリュ)
- TOPVALU(トップバリュ)グリーンアイ
- BESTPRICE(ベストプライス)
- TOPVALU SELECT(トップバリュセレクト)
価格だけではなく、品質も年々良くなっており、コストパフォーマンスが優れています。
またドン・キホーテでは「情熱価格」、西友では「みなさまのお墨付き」の名前でPB商品を出していて、メーカー品と比べて、少し安くなっています。
スーパーのPB商品は小売業者が商品企画・製造までプロデュースしていますが、商品自体は有名メーカーで作っていることもあります。
例えばドン・キホーテの「情熱価格」ロースハム 4枚×4パックはプリマハムとのコラボ商品だったりします。
有名メーカーとのコラボ商品なのに、4パック入りで248円+税。低価格で高品質というお得な商品になっています。
STEP4:100均を活用する
食費や日用品費で節約をしたい時に、活用したいのは100均です。
100円+税で買える商品は、スーパーマーケットやドラッグストアで調達するよりも安く買えることがあります。
日用品費でいうと、ゴミなどを入れるスーパーのビニール袋や、重曹、アルカリ電解水やセスキ炭酸ソーダといった掃除用品を買うのにもぴったりです。
また、食費では、調味料やレトルト食品、スパイスなども揃っています。
気をつけなくてはいけないのは、100均の方が、グラムあたりの単価が高くなってしまうことですが、少量しか使わないラー油やオイスターソース、スイートチリソースといった調味料、バジルやパセリ、シナモンといったスパイスなどは、開封してしまうと長期保存や鮮度を保てないものが多く、少量を100均で買う方が結果無駄が少ないでしょう。
STEP5:ラテマネーの節約
仕事の休憩時間に、つい、自販機のコーヒーを買ってしまったり、お昼休憩の最後にコーヒーショップでコーヒーを買ってくる人は、ラテマネーの節約が効果的かもしれません。
ラテマネーとは、カフェラテ1杯のお金という意味で、意識しないで買ってしまうコーヒーなどのドリンク代1杯も積み重なると浪費になってしまうということ。
顕著な例としては、コーヒーショップで300円のコーヒーを1ヵ月に20日間買う場合、これをコンビニコーヒーの100円にしてみるなら節約効果はどのくらいになるでしょうか。
それだけで4,000円の節約ができます。
年間では4万8,000円。
会社によっては、休憩室にスティックのコーヒーを常備できることもあり、それができるなら、より節約効果は大きくなります。
STEP6:お弁当にする
節約に大切なのは、外食よりもお弁当にすることです。
ただし、これはサラリーマンでも内勤と外勤で状況が違うと思うので、まずは無理せずに続けることが大事です。
これまでお弁当を作ってこなかった人は、おにぎりを作り、冷凍食品のからあげ、フルーツを持参するだけでも立派なお弁当です。
実は、お弁当と言っても、パスタをお弁当箱に詰めていくだけでも「パスタ弁当」、焼きそばをお弁当箱に詰めていくだけでも「焼きそば弁当」といったように1食です。
また、職場の給湯室が使えるなら、ご飯とレトルトカレーを持っていき、お湯にレトルトカレーを入れて温め、カレー弁当といった方法もあります。
アイデアが沸いたら挑戦してみることで、意外なメニューもお弁当になったりします。
STEP7:外食が安いことも
節約の大敵と思われるのが外食ですが、実は、お弁当を作るよりも、キャンペーンなどを利用することにより外食が安くなることもあります。
毎月1日、丸亀製麺の釜揚げうどんの日では、釜揚げうどんが通常料金(並340円、大480円、得620円)の半額になり、並170円、大240円、得310円で食べられます。
また、天丼てんやでは、上天丼(通常料金680円)が500円になる「てんやWeek!!」を開催していて、このタイミングでは野菜天丼など他の天丼と比較してもお得です。
ガストやバーミヤンなどのすかいらーくホールディングスではプラチナパスポートがあり、60歳以上の人は5%割引で使え、1人分の食事を用意するのが面倒な時には利用することもできます。
「お弁当を作ると安い」イメージがありますが、外食店のキャンペーンを使うことで、外食の方が安いこともあります。
吉野家など外食チェーン店では、値上がりが続いているものの、まだまだ1食あたり500円未満で食べられるお店も多いです。
社員食堂が利用できる場合も同様です。
お弁当を作る手間を考えると、社員食堂を利用した方が安いことがあるため、比較計算してみてください。
STEP8:ふるさと納税の返礼品(中上級者向け)
食費を大きく助けてくれる、ふるさと納税を活用してはいかがでしょうか。
ふだん利用する食材を返礼品として選んで家計の助けにしてみましょう。
肉や魚、お米のほか、卵、野菜セット、トイレットペーパーやティッシュペーパーも返礼品として選べます。
ふるさと納税は、自治体の名産品などが自己負担額2,000円で手に入ります。
ふるさと納税で寄附をした金額のうち、2,000円を超える金額が、翌年に住民税や所得税などで還付されます。
ふるさと納税での返礼品選びにも節約ワザが活かせ、おとりよせグルメよりも、食費を助けてくれるような返礼品を選びます。
例えば、肉ならこま切れや鶏肉、魚なら訳ありといったようにです。
控除上限額までふるさと納税をして、返礼品も見栄をはらずに毎日の食材を選ぶことで、大きく節約できます。
STEP9:株主優待を取り入れてみる(中上級者向け)
食費削減のために、株主優待のある企業の株主になってみることもひとつです。
株はリスク商品でもあるので、保有していることで目減りしてしまうマイナス要因もありますが、食費がいつも安く買えるなら、長く保有して長く使うことでメリットがあります。
イオンモール <8905> では、2月末日に100株以上保有でイオンギフトカードなど3,000円相当がもらえます。
そしてイオンギフトカードはイオンのほか、モール内でも使えたりします。
ウエルシアホールディングス <3141> は、2月末日に100株以上で3,000円分のお買物券がもらえますが、Tポイントも選べるため、Tポイントにすることで実質1.5倍でウエル活もできます。
酒類を販売するやまや <9994> では、3月末日、9月末日の年2回、100株以上保有でお店で使える500円券6枚、3,000円分相当の株主優待券がもらえます。
銀行に預けていても微々たる額しか増えていかないため、節約のために株主優待を保有してみるのもいいのではないでしょうか。
まとめ:支出の現状把握を行い、少しずつ節約していこう
生活費の優先度や考え方は、家庭の事情により異なってきます。
- 家族にアレルギーの人がいるから食材が限られる
- 病気による食事制限がある
- 肌が弱い人がいるから使用できる洗剤や柔軟剤が決まっている
それに伴い、平均値と比較しにくい問題があります。
それでも、家計簿をつけて、使途不明金やぜいたく費がかかっているようなら、無駄遣いかもしれません。
削れる部分から少しずつ節約していき、「チリつも」でいいので年間でまとまった余剰金を作っていきましょう。
次回は固定費(電気、水、ガス、携帯代等)についての節約です。
「老後2000万円問題」に向けて、諦めずにがんばっていきましょう!
ペンネーム:谷口久美子
プロフィール:大学事務職員や外資系ITコンサルティング秘書職を経験し、現在は2児の母親をしながらフリーライターとして活動中。
3級ファイナンシャル・プランニング技能士。節約やポイ活をしながら出費を抑えて家計をやりくりするアラフォー。
20代の頃に1000万円貯金を達成したことがいい経験。株主優待好きの優待族でもあり、高配当株も保有する中長期狙いの個人投資家でもある。
< 了 >
※本記事は個人の体験談をもとに作成されております。
※健康法や医療・介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず公的機関による最新の情報をご確認ください。
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